Ka wai mu*ki*ki* 'a'ala lehua o ka manu O ka manu 'a*ha'i ka la'au o Puna Ka 'awa 'ili lena i ka uka o Kali'u Eia i ka la'au ka 'awa o Puna Mapu wale mai ana no ia'u kona aloha Ho'olana mai ana no ia'u e moe
'Upu mai ana ke aloha No ka uka nahele o Puna Ha'ina 'ia mai ana ka puana No ke kauwa ke aloha i na lehua
前半の『Ka Wai Mu*ki*ki*』が夜のPunaの闇を表現しているとすると、それに続いて歌われる『Puna I Ka Ulu Aloha』には、太陽に照らされてalohaが育つ(i ka ulu aloha)、明るさに満ちたPunaが表現されているのではないかと思ったりします。流れるpeleに焼かれ**、真っ黒な溶岩におおわれたPunaの大地。そこに、真っ先に芽吹き、やがて花を咲かせる'o*hi'a lehua。強い風にふかれるがままになびきながらも、彼らがしっかりと大地に根を下ろすことができるのは、生まれたての土壌にも雨は降り、なによりもPunaの自然に守られているから……そう、荒涼と広がるPunaの大地は、愛にあふれるところ(Puna i ka ulu aloha)なんですね***。 PeleとHi'iakaの物語には、Peleの命を受けてKaua'i島へ向かうことを決意したものの、揺れ動く気持ちのままにHi'iakaが歌うシーンがあるのですが、そこに登場するのが、『Ka Wai Mu*ki*ki*』の最初に登場した、Kali'uの土地に育つlehuaたちです。私、Hi'iakaはPunaを離れ、あなた、PeleはKali'uのlehuaのもとにとどまる……そう繰り返し歌うHi'iakaは、Peleに大切なlehuaの森を託したかったのかもしれません。一方、Peleのほうはというと、Hi'iakaにKaua'i島行を命じるにあたって、「私たちふたりの恋人、Lohi'auを連れ帰るように」と語っていたりします。そもそも、「Hi'iaka-i-ka -poli-o-pele」(Peleの胸に抱かれたHi'iaka)というネーミングからして、PeleとHi'iakaは、別々の個体でありながら一心同体のようでもあり、一方を欠いてはいずれも存在し得ないようなところがあります。そして、そんなPeleとHi'iakaの不思議な関係は、『Puna I Ka Ulu Aloha』で語られるPunaへの望郷の思い、そしてlehuaへの深い愛着と、まだみぬひとに恋い焦がれる気持ちが混然一体となったような雰囲気にも表れているように感じられます。また、その思いは、まさに花の蜜を求め続ける鳥たちの(ka wai mu*ki*ki* 'a'ala lehua)、まるでlehuaの虜になったような姿(no ke kauwa ke aloha i na lehua)が象徴するものでもあり、乾きそのものが愛としかいえないような、狂おしい感情でもあって……そんな、決して満たされることのない深い愛の思いが、ここには表現されているのではないかと思われます。
O Puna lehua i ka papa I 'ula i ka papa ka lehua o Puna Kukui mai la i na wahine o ka lua Mai ka lua ou e hele mai nei Aloha Kilauea ka 'aina aloha Ho'i no e ke kapu e na wahine
この最後の部分は、再び『Ka Wai Mu*ki*ki*』のメロディで歌われますが、歌いはじめの鬼気迫る感じは薄れ、なぜか調和のとれた世界が歌い上げられているような印象があります。それは「火口に住む女神たちの鼓動」といった、あまりにも美しい表現のためかもしれませんが、地震や火山の噴火といった、人間にとっては災害でしかない自然現象がそんなふうに語られていることが、実はとても重要なことなのかもしれないと思ったりします。人間の存在をおびやかすことがあろうとも、火山Kilaueaこそが愛であり、いとおしい大地でもある(Aloha Kilauea ka 'aina aloha)……そう言い切れるのは、pele(火山)が生み出した島なのだから、大地はそもそもPeleのものだという思いが根底にあったりするのかもしれません。そんな、人間の力を超えた存在への大いなる敬意と信頼でもって、科学とは別の仕方で思考する世界観が表現されているように思えてきた『Ka Wai Mu*ki*ki*/Puna I Ka Ulu Aloha』。PeleとHi'iakaの物語をたどりながら、神話のことばで語られるハワイの知を感じることができる一曲でした。
参考文献 Emerson NB: Pele and Hi'iaka-a myth from Hawaii. Hilo, Hawai’i, Edith Kanaka’ole foundaition, pp12-36, 1997 Fried CL: The dream of Pele. Hawaiian legends of dreams. Honolulu, University of Hawai’i Press, pp55-67, 2005
コメント
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Punaへの大地への愛だったのですね!
やっと情景を表現できそうです!
2015/08/21 URL 編集
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Punaへの愛だったのですね!
晴れて私の気持ちと曲が重なり踊れそうです!
2015/08/21 URL 編集
隙間のりりー
コメントありがとうございます。
あくまでも私のとらえかたなので恐縮ですが、イメージをふくらませる手がかりにしていただけたら嬉しいです。
2015/08/22 URL 編集