Pi*kakeの香りが運ばれてくる。 まるで風が届けてくれた(あなたの)やさしい便りのように……。 (I ka o* aheahe a ka makani) (それに答えて)私は呼びかける、 私をひきつけてやまないその花に向けて……。 (Aloha a'e au i ka pua 'umeume mau)
Pi*kakeの花の香りがふいに訪れたその瞬間に、むくむくとわき上がってきた大切なひとへの熱い思い。それは、「風によって」(a ka makani)運ばれてきた「ka o*」(応答、返事)*であるとも歌われ、記憶をたどっているというよりも、風が運んできたそのひとの限りなくリアルな気配を感じているようにも思われます。そして、そんな相手からの声なき声に対する返信が、美しいメロディにのせて何度となく繰り返される「aloha a'e au」だったりする**……こんなふうに、このたった数行の歌詞から、まるでこだまのように響いてくる自らの思いを反芻しつつ、愛を誓い合ったときの思いに満たされている感じが伝わってくる『Lei Pi*kake』。しかも、(私を)「引きつけてやまない」('ume'ume mau)あなたへのこの思いこそが、私の生きる証……といった、強いメッセージをともなっているようにも感じられます。
私はこの愛すべき花を選んだのです。 忘れ得ぬ花、唯一無二のその花を……。 私は呼びかける、私をひきつけてやまないその花に向けて……。 (Aloha a'e au i ka pua 'umeume mau)
私は(その花を)心にしっかりとどめておきます。 そう、それは、(私にとって)身につけ大切にすべきレイなのです。 私は呼びかける、私をひきつけてやまないその花に向けて……。 (Aloha a'e au i ka pua 'umeume mau)
ハワイ語の世界では、大切なひとを花(pua)や花を編んだりつないだりしたレイ(lei)にたとえることがよくあります。そして、その相手への愛情表現が、レイを身につける仕方や扱い方(たとえば、上の歌詞の後半部分)に含まれていたりもします。それにしても、私が「あなたを(愛の対象として)選んだ」ことを表す、「'Ako au i ~」(私は~を摘む)というフレーズは、ちょっとドキッとするくらいのインパクトがありますね。でも、花を摘むことなしにはどんなレイも編めないのと同じで、パートナーを選んでこそ成就する関係がある……むやみやたらと花を摘むことが許されないのと同じで、愛する行為には責任がともなうことを暗示する表現なのかもしれません。
さあ、いまこそ(歌のテーマである)私の気持ちを繰り返すのです。 ピカケのレイは、私の愛するあなたそのもの。 私は呼びかける、私をひきつけてやまないその花に向けて……。 (Aloha a'e au i ka pua 'umeume mau)
コメント