Pua Melie

Pua Melie





Kuana Torres Kahele of NA PALAPALAI sings Pua Melia.



 ホントにりっぱで、ほれぼれするわ。
 Pua melieのようなあなた。
 だれからも一目おかれるすばらしい花。
 あなたの美しさは虹の神々しさにも匹敵するほど。
 そして、(思わず見上げてしまう)風格があるの。

 Ha’aheo wale ‘oe e ka pua melie
 He pua ‘oi ma ka hanohano
 ‘Ua like kou nani me ke a*nuenue
 Kau mai i lina

 誇り高く(ha'aheo)きわだったすばらしさ(hanohano)が、まるで虹(a*nuenue)のようだと歌われる「pua melie」*の花のようなひと……プルメリアのあまい香りや可憐な印象から、なんとなく女性がイメージされますが、実はこの歌の作者は女性で、自分のパートナーである男性のことを歌っているようです。空高くアーチを描く虹(a*nuenue)**にたとえられ、見上げる位置にある(kau mai i lina)とされることからしても、レイや髪かざりとして目の高さで見るプルメリアではなく、花をいっぱい咲かせているプルメリアの木、あるいは木の高い所で咲いているプルメリアの花が歌われていると考えるほうが、たしかに自然ですね。
 足元にプルメリアの花が落ちていて、ふと見上げると、風に揺れるプルメリアの木がそこにあった……そんな、いつだったかのハワイ旅行のひとコマを思い出しました。そのときに出合ったプルメリアの木は、この歌にもあるように見上げる位置に花が咲いていて、一番低い花でもちょっと背伸びして手を伸ばさないと届かなかったと記憶しています。

 そう、あなたは(ひとり)高くのぼりつめたような存在で、穏やかで幸せそのもののよう(に思える)。
 そこに、あなたのそういうところに、私の思いは引きつけられるのね。
 そしてあなたと私、(こうして)思いのままに満たされている。
 (二人で)愛をはぐくんでいるの。

 I luna a’e ‘oe e ho’ola’ila’i
 I laila ko’u manao pili me ‘oe
 ‘O ‘oe a ‘o wau , ‘ua ko* ka ‘i’ini
 Ke aloha e hi’ipoi nei

 「i luna a’e ‘oe」(あなたは上に向かう)とされ、ここでも1番に引き続き、思わず見上げてしまうあなたの存在が強調されています。と同時に、ここでは、熱いまなざしを送るだけではない、ふたりして「ka ‘i’ini」(求める気持ち)を満たし(ko*)、「ke aloha」(love)をはぐくんでいるような、幸せに包まれた二人の関係も歌われています。

 いま、ここにも、あなたの香りが運ばれてくる。
 そうして、そのうっとりする香りは、この土地のそこかしこにただよっているのね。
 なんども繰り返し歌うわ、あなたをたたえて、pua melieのようなあなたのことを。
 高く、見上げるようなその存在のすばらしさを……。

 I ne’i kou ‘ala hali ’ia mai
 He ‘ala onaona puni me nei ‘a*ina
 Ha’ina ka puana, nou e pua melie
 Kau mai I luna

 あなたにたとえられるその花の香りは、あなたとともに歩む私のまわりだけでなく、二人が暮らす土地のそこかしこにただよっている……こんなふうに、歌の締めくくりの部分では、再び少し距離をおいたところから「あなた」のことが歌われています。1番で「he pua ‘oi」(もっとも秀でた花)と歌われ、「賞賛のうちに」(ma ka hanohano)周囲から一目置かれるりっぱさを持っているとされた「あなた」は、花の香りが充満するように、その影響力を地域中におよぼしている……ここでは、おそらくそんな状況を語っているのではないかと思われます。そう、あなたはいつも、高いところにいて(kau mai i luna)私たちを見守ってくれている……なんだかものすごい信頼関係がこの二人の間にはあったようですね。この歌を作ったEdith Kanaka'oleさんは、多くのすばらしい楽曲を残したミュージシャンであると同時に、すぐれたフラダンサーおよびチャンターであり、フラのハラウを率いるクムフラでもありました。そんな伝統を受け継ぐ家系にあった彼女にとっての「あなた」は、公私共にその活動を支えてくれる、よきパートナーであったに違いないと想像しています。
 よく歌われるのは以上の3バースなのですが、実はこの前に2つのバースがあって、プルメリアのレイを作ったある日のことが、ちょっとしたドラマ仕立てで歌われていたりします。まず、作者のEdith Kanaka'oleを含め3人が集まりあいさつを交わすところから始まって***、花がいっぱいでホントにきれいだわ、さぁ(あなたも)一緒に編みましょうよ……みたいな感じで物語は展開していきます。そして、おもむろに始まるのが、「Ha'aheo wale 'oe」で始まるフレーズです。プルメリアの花の香りに包まれながら、思いがけず口をついて出たメロディにのせて歌われたのが、この『Pua Melie』だったのかもしれませんね。それにしても、レイを編みながらこんなステキな歌が生まれるなんて、なんだかハワイっぽくていいなぁと思ってしまう……もしかすると、こころを込めて編まれたレイは、思いを伝えるただそのためだけに編まれたことばにも似て、私の思いを「あなた」にまっすぐ届けてくれる、みかえりを求めない贈り物なのかもしれません。

composed by Edith Kanaka'ole

*:「puamelia」「pulumelia」と呼ばれることも多い花。
**:ハワイの伝説のなかに登場する「*anuenue」は、神的な存在の象徴、あるいは神的なものの存在を指し示す印として、特別な意味を持っていることがあります。
***:Edith Kanaka'ole自身も含め3人の名前が歌詞に含まれていることからすると、かなり私的なエピソードが歌われているのではないかと思われます。

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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。