Lei Lokelani

Lei Lokelani





Richard Kauhi:"Lei Lokelani", Hawaiian Relections of Richard Kauhi and His Piano.
Flowers of Makena: Images taken in Makena, Maui.






Lei Lokelani, performed by Pili Moreno, at the Umpqua Hula & the Arts MultiCultural
Festival in Roseburg, Oregon, Aug. 21 - 22, 2010. With dancers from Halau Hula Na Pua O Hawaii Nei.


 私はずっと見守ってきました。
 その花の美しさを……。
 そして、大切に思ってもきました。
 あふれんばかりの香りに包まれたその花のことを。

 Ua `ike maka au
 I ka nani o ia pua
 Pua ho`ohihi na`u
 Puia i ke `ala

 まっすぐ気持ちを伝えようとする作者の気持ちが、「Ua 'ike maka au」(私はずっと見守ってきました)という歌い出しに表れているように思われる『Lei Lokelani』。いきなり「その花の」(o ia pua)美しさであると語られるあたり、こころのポケットにいつもしまってあるような、そんな大切な思いをことばにしようとしていることもうかがえます。
 
 そう、その花をつなげ、誇らしく身につけるのも私。
 Lokelaniのlei。
 それは、alohaそのものであるような、特別なものなのです。

 A`u i kui a lawa
 I lei no`u e ha`aheo ai
 Lei lokelani
 Lei aloha, lei makamae

 1番にも「私が」(na'u)大切に思ってきたという、やや強い印象のフレーズがありますが、この2番にも「私が」(a'u)花をつなげ、lokelaniのleiとして完成させると歌われています*。そう、lokelaniの花を編むことでしか形作れないlei、つまり私の思いがあるわけですね。
 さらに、これに続いて、その思いの対象が具体的に歌われています。

 愛するこの土地は美しさにあふれている。
 それは、ここにしかないすばらしさに包まれているから。
 偉大なMaui、Kama*la*lawaluの伝統とともにある島。
 そこは花々が(夢のように)暮らす場所……。

 Ua nani ku`u `aina
 Na kahiko lua `ole
 `O Maui nui a Kama
 Home o na* pua

 Lokelaniをめぐる私の思いに続いて、3番では、メロディが変わるとともにMaui島が登場し、Kama*la*lawalu**の時代から変わらないその美しさが、Maui島にしかないすばらしい存在のおかげであると歌われます。そして、そのすばらしさの象徴が「na* pua」、つまりlokelaniの花にほかならないと……。
 そして、次のバースでは、「na* pua」にたとえられているMauiを象徴するものたちが具体的に語られます***。

 圧倒的な存在感とともにあるMauiよ。
 Pi'ilaniの湾に囲まれ、
 Haleakala*は天高くそびえる。
 そう、あの東の空に……。

 Kaulana `oe e Maui
 I na hono a Pi`ilani
 Kilakila Haleakala
 Ma ka hikina

 Pi'ilaniの湾に囲まれ、Haleakala*がそびえる島、Maui。なにがすごいって、もうそれがこのようにしてある、その存在感に圧倒されてしまう****……ここには、そんな作者のあふれる思いが表現されているように感じられます。しかも、Haleakala*がそびえるとされる東の空(ma ka hikina*)は太陽が昇る方向であり、「hale-a-ka-la*」(太陽の家)という名前の由来とも相まって、朝焼けに輝く山の頂が想像されもします*****。そう、自然の風景には、理屈抜きにひとを引きつけ感動させるところがある……この島にしかないすばらしさに飾られたMaui、というか、なにもかもがここにしかない宝物のようにみえてくるMaui。そんな大切な土地への思いを(leiのように)つなげて歌われる『Lei Lokelani』は、その美しいメロディからlokelaniの香りまでただよってくる、まさに歌の宝石ともいえる作品なのです******。

*:ハワイ語には一つの人称に対していくつもの異なる所有形があります。また、所有形が、「~の(ものである)」という所有の関係ではなく、主語的に「~が(する)」という意味を持つことがあります。
**:Kama*la*lawaluは、古代のMaui島で力を持っていた王族の名前。島の独自性を象徴する呼び名として詩的に用いられる表現。
***:ハワイ語の世界では、祖先からいまに続く人間のつながりが、命を伝える植物の営みのアナロジーで語られることが多いことからすると、この「na* pua」も、単に花々という意味ではなく、過去から現在に至るまで、ここMaui島に生を受け暮らしてきたひとびとのことを思って歌われているのかもしれません。
****:kaulanaは、「kau」(put、置く、ある)に「lana」(名詞化する語尾)が付いたもの。「有名な」と訳されることが多いことばですが、ひとびとによく知られることになった原因、つまりその存在感にスポットをあてて訳してみました。
*****:「hikina」には「太陽が到着するところ」(「hiki、到着する」「-na、名詞化する語尾」)という意味があります。
******:Lokelai(small rose)はMauiの島花。

composed by Charles E King(1920)

参考文献
Malo D: Hawaiian antiquities. Honolulu, Bishop Museium, pp9-10, 1951
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。