He `ala nei e mapu mai nei Na ka makani lau aheahe I lawe mai a ku`u nui kino Ho`opumehana i ko aloha
Hui: E ke hoa o ke ahe lau makani Halihali `ala o ku`u `a:ina
さわやかに吹き抜ける風が、軽やかなワルツの調べにのせて、まるでダンスでもするかのように描写されている『Ahe Lau Makani』。それぞれにかぐわしい香りをつれてくると歌われるとともに、繰り返し歌われる部分(hui)では、「e ke hoa」とまるで親しい友人知人のように呼びかけられてもいて、ただ風が吹いているという以上の意味があることを予感させます。 そして、伝えられるところによると、この歌の作者であるLili'uokalani(ハワイ王朝最後の王位継承者、以下、Lili'u)は、この歌のなかに、彼女自身と彼女の2人の妹たち(Miriam LikelikeとKapoli)のことを描写しているようです。そう思って聴くと、風のダンスとともに色とりどりのドレスに身を包んだ貴婦人の姿も目に浮かぶよう……そう、Lili'uが描写しているのは、おそらく、当時、彼女が妹たちとともに暮らしていた家の、そんなはなやかさと幸せに満ちた空気感そのものなのです*。
He `ala nei e aheahe mai nei Na ka leo hone a na* manu I lawe mai a loa`a au Ho`opumehana i ko leo
この最後のバースでは、香りをともなう風とともに聞こえる、鳥たちのさえずりが描写されています。そのかわいらしい歌声は、Lili'uたち姉妹のしあわせに満ちた語らいそのものなのかもしれません。 単に「makani」(風)を擬人化して語っているのではなく、ホントウに風の気配に大切な人の存在を感じているのではないかと思うほど、生き生きとした表現が連なっている『Ahe Lau Makani』。こんなふうに、自然のもつエネルギーのあらわれに「spirit」(ハワイ語で「'uhane」)的なものを感じ取とるあたりが、ハワイのひとびとの感性なのかもしれません**。
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