Ka Lehua Pu*nono

Ka Lehua Pu*nono





MM2010 Miss Aloha Hula (Auana)-Delys Hulalimaikalanimai Kanemura Recca

Delys Hulalimaikalanimai Kanemura Recca,Ka Leo Laka O ka Hikina O Ka La,
Mele-Ka Lehua Punono ,Kai-Ka Lehua Ula,Hoi-Lei Hooneno
Kumu:Kaleo Trinidad,Musician:Weldon Kekauoha&Alea



 山の奥深い森にすまう、いまをさかりと咲き誇るlehua
 (その上空を)たくさんの鳥たちが群をなして飛んでいる。
 そうやってi'iwiはお気に入りの花を探すもの。
 そう、ひときわ赤いlehuaに恋いこがれるのが、
 鳥という生き物の性(さが)なのです。

 Aia ka lehua popohe i ma`ukele
 Lele na* kini manu i ka lehulehu
 Huli ka`iiwi i ka pua hiwahiwa
 Iwalea ka manu i ka lehua pu*nono

 うっそうと生い茂る熱帯の森と、その上空をおおうように乱舞しながらlehuaの花を求める鳥たちの群れ……そんな、美しくも喜びに満ちた壮大なパノラマが、ゆったりと流れる起伏のないメロディとともにイメージされる『Ka Lehua Pu*nono』。数ある花のなかでも、とくにハワイのmeleに登場することが多いlehuaの花ですが、ここでは「popohe」(丸く、形の美しい)とあることから、「いまをさかりと咲き誇る」と訳してみました。タイトルにも「pu*nono」(gorgeous red)とありますし、この歌に描写されているlehuaには、ほかにはない特別なものを感じさせるなにかがあるのかもしれませんね。そう、i'iwi*の鳥たちが、喜々として群がり、一心不乱にその蜜を吸うような……。

 さわやかにやさしくなでるような雨にぬれながら、lehuaがゆったりとゆれている。
 (そして)気持ちのいい風も吹いてきて、
 その際のところから、雨のしずくがひとつ、またひとつ……。
 その水滴がLikoのところで(輝いて)、まるで喜びに満ちあふれているようにみえるのです。

 Nolu pe* ka lehua i ka li*hau
 Hau mai nei ka makani `olu`olu
 Lu* ke ke*hau mai ka lihilihi
 Hia`ai wale i ka liko

 風が吹き抜ける見晴らしのいいその空間全体が、しっとりと驟雨に包まれて、燃えるように赤いlehuaの花は夢のようにゆれ、liko(lehuaの新芽)のところに滴る雨のしずくの輝きが、「喜びに満ちた(hia'ai)」ものとして迫ってくる……そんな永遠とともにあるような一瞬の感動が、息をのむような緊張感とともに伝わってくる表現だと思います。そして、風景を大きく切り取るような1番とは違う、まるで対象を接写するようなこのまなざしは、鳥(manu)のかわいらしい姿をさらに追い続けます。

 Lehuaの花のところに、i'iwiがちょこんととまっている。
 そして、(一心不乱に)満開の花の蜜を吸うのです。

 Koili ka manu i ka pua lehua e
 A inu i ka wai o ka ho*poe pua

 満開の花(ho*poe pua)の蜜を懸命に吸うi'iwi……「koili」(rest on)が、海面に月がやすらぐように接している光景をあらわすことばでもあることから、「ちょこんととまっている」と訳してみました。ですが、海と月が出合う幻想的な雰囲気を思うと、lehuaにくちばしを向けるi'iwiの姿は、かわいらしいというよりも、どこか凛とした端正なたたずまいなのかもしれないと思ったりもします。

 いまをさかりと咲き誇るlehuaを語ったこの歌の、大切なメッセージがこだまする……。
 霧雨のなかで、(i'iwiに)選ばれた特別な花が、しずくにやさしく包まれている。
 花は輝き、その上で鳥は満たされる……。
 (そうやって)I'iwiはなんども、なんどでも、その(愛の)行為を繰り返すのです。

 そうして、(鳥たちは)満開の花の蜜を吸う。
 ひときわ輝きを放つその赤い花の蜜を……。

 Puana ke mele o ka lehua pu*nono
 Noluehu pua hiwa i ke kili`ohu
 Hulali ka pua, `ai ka manu i luna
 Na ka i'iwi e hoho'i mai

 A inu i ka wai o ka hopoe pua
 A inu i ka wai o ka pua pu*nono

 こんなふうに、徹頭徹尾、i'iwiとlehuaの関係だけが歌われている『Ka Lehua Pu*nono』。そう、i'iwiがいるところにはlehuaが、あるいはlehuaがあるところにはi'iwiがいる……そんな、あまりにもシンプルなこの両者の関係こそが、実はハワイの自然そのものであることも、この歌の大切なメッセージのひとつではないかと思ったりします。というのも、自然そのものに思われるハワイの島々も、近代化する以前の姿をとどめているわけでは決してないからです。開発の波にのまれて、あるいは、外来種の台頭で植生が変わるなどして森が姿を変え、いつしかそこをすみかとする鳥たちもいなくなってしまった……そうして絶滅してしまったハワイの固有種は、鳥に限らず決して少なくないようです。そんなことを考え合わせると、i'iwiとlehuaが愛を育むその光景は、その絵に描いたような美しさを-いわんや、男女のかたらい(性愛?)を-単に愛でる以上の意味をおびてくると思うんですね。そう、それがいまここにあることへの感謝の気持ちと、それが未来永劫続くことへの祈りとを喚起させる、そんな稀有な一瞬のおとずれでもあるような……。


*:I'iwiはハワイ蜜吸いとも呼ばれる赤い小鳥。ハワイの固有種。

参考文献
Kawaharada D: Local geography Esseys on multicultural Hawai’i. Honolulu, Kalamuku*Press, pp181-184, 2004

Composed by Kalikoli*hau Hannahs, Chad Takatsugi
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コメント

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隙間のりりー

jazztamaさまへ
こちらこそ,先日はありがとうございました。
素敵な曲をリクエストしていただいて,とても勉強になりました。
他の参加者のみなさんも,喜んでくださってたと思います。

ひとりで読むよりも複数で読むほうが楽しいと思ってはじめた会です。
なので,興味をもってくださるかたには,できるだけ参加していただきたいと思っています。
ハワイ語のことも,誰かに説明したりすると私自身の勉強にもなります。
なので,初心者大歓迎! jazztamaさん,次お会いできるのを楽しみにしています。

追伸
私の名前,あってます!
『ハワイ語のはなし』のほうも,熱心に読んでくださって,ホントウに嬉しいです。
また感想とか聞かせてください。

いつか本にできるようがんばります。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。