Nanea i kou nani ke po'ai nei I neia la, i o i'ane'i Pulelehua lani i kou lele nei Hele i ka nahele a ho'i mai
ひらひらと舞う蝶の姿に、大切なだれかの面影を重ねているような歌詞が印象的な『Nanea I Kou Nani』。こちらへ来るかと思ったら、また遠ざかっていく(i neia la, i o i'ane'i)という描写が、ひそかな願いがかないそうでかなわない、夢の世界にありがちなあの理不尽さの表現のようでもあります。もしかすると、「森へ向かう」(hele i ka nahele)とされるときの「森」(ka nahele)も、人間の力のおよばない世界を暗示していたりするのでしょうか……いずれにしても、その跳ねるさまが「天空を舞う蝶」(pulelehua lani)のように美しいとされるだれかは、「ho'i mai」(また戻ってくる)ようですね。いや、もしかすると、いつだったかの幸せな記憶を反芻するそのさなかにあって、いとしいひとの面影が夢のように近づいてはまた遠ざかっていく……そんな感じなのかもしれません。
Aia i ka ho'ohihi me ia wehi Me ka wiliwili mai loko e Pulelehua me ka lei änuenue E walea ho'i ko ka*ua e
ここでは、一番で美しく描かれた光景(ia wehi)が、どうしても頭から離れないことが明かされます。「me ka wiliwili mai loko e」*という、まるで植物のツルがからまっているような強い表現は、その喜びのときが再びおとずれることを願う、熱い思いそのものなのかもしれません。そして、「E walea ho'i ko ka*ua e」と、愛するひとを誘うようなことばが続くあたりには、このだれかが求めているものが、ある輪郭をもって示されているように思われるんですね。それはおそらく、二人だけで親密なときを過ごしたときのあれやこれやに違いないと……そう、なんども繰り返しなぞられているのは、虹のように輝く(愛の)leiでもって(me ka lei a*nuenue)私を包んでくれた、あのときのあなたの記憶なのです。そう、愛の行為のさなかの……。
Ha*‘ina mai ana ka puana la E ku'u mea milimili e ma*lama Pulelehua lani i kou lele ana E noho ana i ka pu'uwai
いまにも天高く飛び立とうとするあなた(i kou lele ana)……こうして、終始「蝶」(pulelehua)にたとえられてきたあなたですが、ここにいたって「e ku'u milimili e」(いつもふれていたいと思ういとしいひと)と語られていることを考え合わせると、その飛び立とうとする行為は、愛の営みそのものではないか……という気もするんですね。そう、全力でもってふたりだけの「愛の世界」へ飛び立とうとするときの……そして、そんなあなたの姿は、いつもこころのなかに住まってもいるようです(e noho ana i ka pu'uwai)。そう、とびきりすてきな(nanea)愛の記憶として……。
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