Na* Hoa He'e Nalu

Na* Hoa He'e Nalu 





Weldon Kekauoha - Na Hoa He'e Nalu/The Boy from Laupahoehoe
With Jack Ofoia and Alika Boy Kalauli IV at the Made in Hawai'i Festival at Blaisdell
Center, August 17, 2013


 みんな、元気出していこう!
 さぁ、海へ向かうんだ。
 そこには(いつもの)あれが待ってる……。
 そう。ぼくらのとびきりのお楽しみがね。

 Eu mai e na* hoa e*
 Ho* a'e ho'i i kahakai e*
 I laila no* ka le'ale'a e*
 Ka puni ho'i a ka*kou e*

 心地よくきざまれるリズムと、まっすぐに響くコーラスの美しさ……もうそれだけで、スカッと晴れ渡ったハワイの青い空が思い浮かぶように思われる『Na* Hoa He'e Nalu』。仲間たち(na* hoa)への「Eu mai」(元気出していこう!)という威勢のいい呼びかけから、これからはじまる「お楽しみ」(ka le'ale'a)への期待がビンビン伝わってくるようにも感じられます。さぁ、これから、いい波を探しに海へ(i kahakai)行くんだ……もうだれも、このワクワクする気持ちを押さえられない、そんな感じでしょうか……。

 さぁ、しっかり立てて、よく点検しなくっちゃ。
 サーフボードを(チェックするのが、まずは肝心なのさ)。
 そして、沖へ向かうんだ。
 (とびきりの)波を探しにね。

 Ku* aku e ha*kilo e*
 I na* ku*lana papa he'e nalu e*
 A 'au aku i waho e*
 I na* nalu o laila e*

 「ka le’ale’a」(レジャー)ではありますが、考えてみれば、波という自然に挑むサーフィンは、一歩間違えると危険なスポーツでもあります。だからこそ、いい波に乗れたときの爽快感みたいなものがあるのかもしれませんが、まずは命をあずけるためのサーフボードの点検から(ha*kilo)……といったところでしょうか*。そうして、準備万端整えてから、「外海へ向かって泳いでいく」('au aku i waho)んですね。そう、そこにある(とびきりいい)波を求めて(I na* nalu o laila)……。

 ボードの扱いは慎重に。
 そう、(あっという間に)波にさらわれたりしないように。
 しっかり引き付けて、ちゃんとつかんで……。
 波に乗るときの(いつもの)きみのやりかたでね。

 Ma*lama i ka papa e*
 O ka*peku ho'i a lilo e*
 Pa'a iho a pa'a pono e*
 I kou wa* e 'au ai e*

 さぁ、いよいよボードに身体をあずけたようです。でも、「ka*peku」(水の中でバタバタして魚を逃がしてしまうような状況)、つまり、うまく波に乗れずボードとの一体感もないまま、波の抵抗だけを受けて転倒するようなことになると、ボードもどこかへいってしまいますから(lilo)、そうならないように**、「しっかり引き付けて」(pa'a iho)、「ちゃんとつかんで」(pa'a pono)、じっとタイミングをうかがうわけですね。そう、いつものあなたの力を十二分に発揮して(i kou wa* e 'au ai)……。

 手ごわい波にのるときほど、
 (不思議と)最高の気分なんだ。
 空を舞う鳥、たとえば‘iwaみたいにさ。
 そう、波に乗ってるときの、(あの時が止まったような)一瞬がたまらない……。

 I ka nalu pu*ki* e*
 Ha'aheo ho'i ku*lana e*
 Me he 'iwa ke ki*kaha e*
 Ho'ola'ila'i i luna e*

 「手ごわい波」と訳した「ka nalu pu*ki*」の「pu*ki*」は、たとえば、あばれ馬の手綱を引いてコントロールしようとするときの表現です。そんな上級者レベルの波に出合ったときほど、サーファー魂みたいなものが燃えるのかもしれませんね。「ha'aheo」(proud、誇らしい)という表現には、そんなニュアンスが含まれているのではないかと思われます。それにしても、十数メートルにも盛り上がる波と一体になる快感ってどんななんだろう……と思いますが、ここでは「'iwa」が「ki*kaha」(グライダーのように滑空するさまにたとえられ***、さらに、波で舞い上がったときのその上空(i luna)で、サーファーは穏やかな(ho'ola'ila'i)空気に包まれると描写されています。波乗りをしたことがない私ですが、おそらくそれは、時間というか世界がふっと動きを止めるような、呼吸することさえ忘れる一瞬ではないかと想像しています。

 ぼくらの思いは伝わったかな。
 波乗り仲間たちのワクワクする気持ちが……。
 ‘Iwaみたいにさ、ふわっと空を飛ぶ瞬間があるんだ。
 そうして、また陸に戻ってくるんだけどさ。

 Ha'ina mai ka puana e*
 No na* hoa le'ale'a e*
 Ki*kaha mai me he 'iwa e*
 A ho'i mai i ka 'a*ina e*
 
 ここまでたどってみて、心地よく連なる軽快なハワイ語のリズム感も、「he'e nalu」(サーフィン)の描写の一部のように思えてきました。すべてが調和のなかにある自然を表現すると、こんなふうにおのずと丸く円環を描くような世界が浮かび上がってくるのかもしれませんね。そして、ハワイの伝統的なレジャーであるサーフィンは、そんな自然の奇跡のサイクルの中に、ひととき一体化する自分を感じるような、そんなスポーツではないかとも思います。そう、またこちらの世界に戻ってくるにしても……(ho'i mai i ka 'a*ina)。こんなふうに、ひとはあちらとこちらをいったりきたりしながら、生きている確かな手ごたえ、あるいは世界のなかにある自分の位置を確認するものなのかもしれません。

Lyrics by Mary Kawena Puku'i, Music by Irmgard Farden Aluli

*:見ることにまつわるハワイ語にもいろいろあって、「'ike」(see:見える、知っている、理解する)、「na*na*」(look at:見る、目をやる、注目する)、「ha*kilo」(observe closely、spy on:近づいてしっかり観察する、探索する)といったニュアンスの違いがあります。
**:「O ka*peku ho'i a lilo e*」の文頭の「o」は、「lest」(~しないように)という意味の接続詞。
***:「ki*kaha」には、「glide」(滑るように進む、滑空する)、「soar」(舞い上がる)という意味があります。また、「'iwa」は「frigate bird」(軍艦鳥)とも呼ばれる海鳥の一種。かつては、ハワイ各地の海辺に多く繁殖していたとされますが、近年はその姿を見かけることもまれになっているようです。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。