Ka 'Eha Ke Aloha

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50th Anniversary Hula / Loea Kawaikapuokalani K. Hewett



 私はここよ、いとしいあなた、
 はるかかなたにそびえるこの場所に。
 こころもからだも凍てつかせるLīlīnoeの雨にぬれながら、
 Mauna Keaの寒さなのなかで……。

(Hui)
 私は涙する、愛するがゆえの痛みのために。
 そう、いとしく思うからこそのこの涙(の意味が、あなたにわかるでしょうか)……。

 Eia hoi au e ku'u ipo
 I ka uka 'iu'iu
 I ka ua mā'e'ele o Līlīnoe
 I ke anu o Mauna Kea

 (Hui)
 Uwē au i ka 'eha a ke aloha e ku'u ipo
 Uwē au i ka 'eha a ke aloha

 ゆったりとおだやかに連なるメロディとともに、ハワイの大自然のパノラマが目に浮かぶように思われる、『Ka 'Eha Ke Aloha』。ですが、その美しい景色に重ね合わされている心象風景は、ハワイといえばまずは連想される温かさからはほど遠く、雪におおわれたMauna Keaさながらに、凍てつく風が吹きすさぶ雪野原のようです。「i ka 'eha a ke aloha」(愛するがゆえの痛みのために)、「uwē au」(私は涙する)と繰り返されるところから、行き場のない悲しみに打ちひしがれる、孤独なだれかの存在が感じられますが、いったいどんな物語がそこにあるんでしょうか……抑揚の少ないシンプルなメロディラインが、より一層、そのだれかの思いの深さを際立たせている、そんな印象もあります。
 そして、Mauna Keaといえば、雪の女神Poli'ahuの物語を生んだ場所……そう、この歌のベースには、Poli'ahuとひととき愛を誓いあった'Aiwohikupuaとの、成就することのなかった恋物語があるようなんですね。

『Ka 'Eha Ke Aloha』( Kawaikapuokalani Frank Hewett)については、zoom講座「メレで学ぶハワイ語」で解説しています。講座のアーカイブ(録画)受講についてはこちら。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html

参考文献
Varez D: The legend of La*'ieikawai. Honolulu, University of Hawai'i Press, 2004




 
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。