‘O Hanalei ku‘u aloha Ka nani a‘o Hanalei Ho‘ohihi ana ‘oe i kuu aloha la*, e Hanalei no* e ka ‘oi
静かにひびく重厚感あふれるメロディが、壮大なHanaleiの風景描写そのもののようにも思われる『Nani Hanalei』。低音と高音が入れ替わるたびに、別のパノラマが入れ替わり立ち替わり現れる、そんなドラマチックな雰囲気もありますが、歌詞のほうはいたってシンプル。「私のこころをグイグイっとひきつける」(ho‘ohihi ana ‘oe)と歌われはするものの、Hanaleiについては、それほど多くを語っていない印象もあります。ですが、そのややことばが足らない感じも、目の前に広がる風景の圧倒的な存在感に身を任せる誰かの、ことばにならない驚きというか、その場の空気感を伝えているようにも思ったり……そう、感動ってそうそうことばにできないものなんですね。そんなことばが取りこぼしてしまうものさえ、美しいメロデが奇跡的によみがえらせているような、生き生きした躍動感みたいなものがこの歌にはあるように思います。
Ha‘ina mai ka puana Ka nani a‘o Hanalei Ho‘ohihi ana ‘oe i ku‘u aloha la*, e Hanalei no* e ka ‘oi
ここまでたどってみて、「hanalei no* e ka ‘oi」ということばで表現されているのは、ほかにはない美しい風景がそこにある、ということだけではないような気がしています。自分が生まれるはるか昔からそこにあり、人間の命のスパンとはスケールが違い過ぎるその存在と向き合うとき、はたしてひとは、どんなことに思いを馳せることになるんだろうかと……。Kaua'i島が誕生し、その何百万年かを経てきた軌跡が、まるでむきだしのままそこにあるかのようなHanalei。そこには、人間には決して手の届かないものにさえ、ひとときふれたような気持ちにさせられる、そんな時間が流れているのではないかと思ったりもします。そうして私のこころは、どんどんその高みへと引き寄せられていく(ho‘ohihi ana ‘oe i ku‘u aloha la*)……私もいつか、そんな聖なるHanaleiを体験できることを願いつつ、筆を置きたいと思います。
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