E ʻike i ka nani aʻo Poli’ahu Ka wahine i ke anu, i ke kēhau ‘o Mauna Kea
ここちよいメロディとともに、どこまでもみわたせる視界がひらかれていくように思われる、『E ʻIke I Ka Nani Aʻo Poliʻahu』。まっすぐ刻まれるビートの力強さや、「見よ、あの美しさを」(e ʻike i ka nani)といった勢いのあることばのせいか、Mauna Keaにそなわった圧倒的な存在感や、雪山を包む凛とした空気までが伝わってくるような、そんな雰囲気がこの歌にはあります。 ハワイ島はHāmākua地域にそびえる、ハワイ諸島最高峰の山、Mauna Kea(13,796フィート)。「Mauna-kea」(白い山)という名が示すように、冬場はスキーもできるほどの雪山だったりするのですが、その山頂が雪におおわれた姿を、ハワイのひとびとは「poli-ahu」(肩から胸のあたりにかけるケープ)と呼び、その場所がかき立てるイマジネーションでもって、美しい雪の女神の物語を語り継いできました。そして、ここで歌われている女神(ka wahine)が、その「Poliʻahu」なわけですね。
Kehakeha ka wahine i ka ‘iu o luna Kāhiko ‘ia i ka māmane, ‘ai a ka manu palila
Māmaneの木々につどい、そのミツを求める鳥たち……ここに登場するmāmane(高地に生息するマメ科の植物)、およびpalila(ハワイミツスイ)は、いずれもハワイ固有の生き物です。外来種にその存在をおびやかされてきた種が多い状況にあって、Mauna Keaは、いまもハワイに古来からある自然の営みが残されている場所なんでしょうか。少なくとも、鳥の楽園として語られるその場所は、人間が容易に足を踏み入れることができる領域ではないのかもしれません。そう、「i ka 'iu o luna」(高みをきわめたところ)にあって、みるひとに聖なるものたちが住まう空間をイメージさせもするような……。
『'E 'Ike I Ka Nani A'o Poliʻahu』(by Kawaikapuokalani Hewitt)について、zoomオンライン講座「メレで学ぶハワイ語」で解説する予定です。講座の詳細については以下をご覧ください。 http://sukimano.com/blog-entry-647.html
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