Halau Na Lei Hulu I Ka Wekiu performs live from SFJAZZ Center with Kuana Torres Kahele Band.
たそがれ時にふと耳にしたあのピアノ、いったいどこから聞こえていたんだろう。
(孤独な)夜に寄り添ってくれる、(心やさしい)友のようにも思えたあの調べは……。
それはまるで、カタツムリの声のひそやかさを思わせるところがあった……。
そう、明け方近くにかすかにひびく、やさしくも心ふるわせる鳴き声に……。
‘Auhea wale ‘oe e piano ahiahi
Hoa ‘alo’alo o ke kulu aumoe?
Ho’olono i ka leo o ke ka*huli
Leo honehone i ka pili o ke ao
弾むようなリズムと明るいメロディに、なにか最高にワクワクする気分がのっかっているように思われる『Piano Ahiahi』。底抜けに楽しい雰囲気をまき散らしているような勢いもありますが、歌われているのは、夕暮れ時にどこからともなく響いてきたという、かすかなピアノの調べのようです。しかも、カタツムリ(ハワイ語で「ka*huli」)の鳴き声にたとえられているところからすると、じゃんじゃん弾きまくっているというよりは、鍵盤をひとつ、またひとつと叩くような、ひっそりとした音色だったのかもしれません。もっとも、カタツムリの鳴き声といわれても、にわかには想像しがたいものがあるような……。というか、そもそもカタツムリって、鳴いたりするんでしょうか?
生物学的にいえば、カタツムリは声を持たないとされている生き物です。ですが、なぜかハワイでは、昔からカタツムリはひとしれず鳴くと信じられてきたんだとか。そう、人間がまだ寝静まっている時間帯に、それと気づかれることもなくひっそりと……*。そんな、いわばイマジネーションのなかにしかない音にたとえられたピアノなわけですが、いったいどんな音を奏でていたんだろう?と思ってしまいます……。
『Piano Ahiahi』(by Pālea Kuluwaimaka)について、zoomオンライン講座で解説しています。アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html 参考文献
Pukui MK, Korn AL: The eco of our song. Honolulu, The University of Hawaii Pres, 1973, pp106-108
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