'Ala Pi*kake

'Ala Pi*kake





Halau O Na Pua Kukui dances as WAIPUNA sings 'Ala Pikake.



 Pi*kakeの香りよ、気づいておくれ。
 夕暮れ(のあの特別なとき)をともにする、大切なあなたよ。

 Maliu mai e ke 'ala pi*kake lae
 Ku'u hoapili o ke ano ahiahi lae

 こころのなかに燃え上がるような、はてしない欲望というか……。
 (この思いは)Wai'alaeに育つ美しい花のつぼみを求めてやまないのです。

 Ahi wela mai nei loko, he 'i'ini nui lae
 No ka liko pua nani i Wai'ialae lae

 かざりけのないシンプルなメロディラインが、誠実さゆえに不器用にふるまってしまう誰かの、うつろなとわず語りを思わせる『'Ala Pi*kake』。そんな素朴な印象とはうらはらに、この誰かの胸のうちには、むくむくとふくれ上がる欲望が、熱く、激しく燃え上がっているようです(ahi wela mai nei loko)。そう、pi*kake(ジャスミン)の花のあまい香りに、ふといつだったかの愛の記憶をよみがえらせながら……。そして、そんな思いをかきたててやまない愛しいひとのことを、Wai'alaeに咲く美しい花のつぼみにたとえているわけですが……夕暮れの特別なときをともにする「hoapili」(親しい間柄にある相手)とも歌われているところから、その花のようなひととこの誰かとの関係が、まずは気になるところ……。

 そこに私は、昨晩行ったのです。
 (そして)まさにそのとき、Ma*healaniの月は煌々と輝いて……。

 I laila aku au i ka po* nei lae
 'Oiai'o Ma*healani e pa* mai lae

 そう、そこへ(i laila)、その愛しいひとがいるWai'alaeに会いに行ったんですね*。煌々と輝く満月(Ma*healani)に見守られながら……**。つい昨日のことだった(i ka po* nei)といいますから、もう誰かに聞いてほしくて仕方がないみたいな、そんな感じなのかもしれません。

 月明かりに照らされながら、(pi*kakeの)葉を突っついた(私)。
 その花をこの私がつなぎ、(愛のレイ作りを)成就するために。

 Pa'ipa'i lau i ka pa* ko*nane lae
 I pua na'u e kui a lawa pono lae

 (その)レイに包まれて、私のからだ全体がもうなんかとってもいい感じ。
 頭からつま先まで(夢のように)飾られて……。

 He pono nei nui kino ke lei 'ia lae
 Ka*hiko 'ia mai luna a lalo lae

 あれっ?その花の葉っぱを突っついたって(pa'ipa'i lau)、どういうことなんだろう……ここまで、ことばを尽くしてその花のようなひとへの思いが語られていた紳士的な感じからすると、なんだかここだけ雰囲気が違っているような……。
 『'Ala Pi*kake』が収録されているCDアルバムのひとつ、『Na* Pua O Hawai'i』(by Makaha Sons)の解説によると、Wai'alaeでpi*kakeの花を育てているひとが、満月の夜にpi*kakeを突っついて刺激するという話があるようです。そう、その刺激によって、pi*kakeがより豊かに花開くようにと……。なるほど、そうしていっぱいの花でもって、頭からつま先まで(i luna a lalo)、たっぷりからだを包み込めるようなレイを編むわけですね(e kui a lawa pono)。ほかの誰でもない、この私(na'u)の手で……。愛する営みが、ときに相手をやさしく愛でるだけでは成就されない激しさをともなうことを考えあわせると、この「突っつく」(pa'ipa'i)からレイを「つなげる」(kui)までの描写は、愛し合う行為をかなりストレートに語っているようにも思えてきます。

 (さて)私がこの歌に込めたメッセージは伝わったでしょうか。
 夕暮れ時をともにする大切なひと(といえば、もうおわかりですね)。

 Ha'ina 'ia mai ana ka puana lae
 Ku'u hoapili o ke ano ahiahi lae

 (でも)もう一度繰り返しておこうと思う。
 風が連れてくるpi*kakeの香りに、この歌をささげたことを……。

 Ha'ina hou 'ia mai ana ka puana lae
 No ke 'ala pi*kake e moani nei lae

 香りによってよみがえる、あの日、あのときの愛の記憶……それ以上近づけないところでお互いをさらけ出した間柄だからこそ、せつなの風のいたずらにもふいに蘇ってくるような、そのひとの香りというか気配みたいなものがあるのだと思います。そうして、その香りが運ばれてくるたびに、なんども、なんどでも、いつだったかの幸せな思い出を反芻するのかもしれませんね。喜びに満ちた夕暮れどきを、またともに過ごせる日がくることを信じて……。

by Manu Boyd

*:Wai'alaeは、Oa'hu島はHonoluluの海側、Perl Harberに面する海沿いの地域にある町の名前です。文字通りの意味は「mudhen water」。
**:ハワイのひとびとの間に、Ma*healani(満月)の夜にやるとすべてうまく行くという古い信仰があり、漁師も農夫も満月を心待ちにしたという記録も残されています。

参考文献
Kahele M: Clouds of memories. Honolulu, Kamehameha Schools, 2006, pp251-252
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。