Na* Pua Lei 'Ilima

Na* Pua Lei 'Ilima





Hoku Zuttermeister with Jerry Santos


 なんてきれいな花たちなんだろう……'Ilimaのレイ。
 その瑞々しさこそ、Kakuhihewaが愛してやまなかった美しさ(なのだと思うと、胸がいっぱいになる)。
 
 Nani wale na* pua, lei ka 'ilima
 O ka u'i ho'oheno, o Kakuhihewa

 (その美しさといったら)もうひときわ輝いていて、
 見るといつだって誇らしい思いに満たされる。

 Ku*lana hiehie, me ka hanohano
 Ha'aheo i ka maka, ke 'ike aku

 そう、思いはいつもそこへ、(その花々の咲き乱れる)その場所へと引き寄せられる。
 'Ilimaのレイといえば、誰もがその美しさをみとめるところなのだから。

 Ho'ohihi ka mana'o, la* i laila
 Na* pua lei 'ilima, e kaulana nei

 おだやかに淡々と連なるメロディの繰り返しが、まるで寄せては返す波のようにこころに響く『Na* Pua Lei 'Ilima』。'Ilimaのレイを形作る花々のすばらしさが、少しずつことばを変えながら語られていくあたりは、波に洗われるたびにひとしれず形を変えていく、静かな波打ち際の一瞬、一瞬のきらめきのようでもあります。そうしてことば少なに表出される'ilimaの花への思いは、遠い日の記憶の断片だったりするのでしょうか。あるいは、「Kakuhihewaが愛した」とされることからすると、単に個人的な思い出が語られているのではないのかもしれません。いずれにせよ、起伏の少ないメロディに、なにか途方もなく大きな思いが包み込まれているような、そんな果てしなさを感じさせるところが、このmeleにはあるような気がします*。
 
 そう、'ilimaのレイといえば、もう誰だって知っている。
 島々のなかでも、中心的な存在なのだから。

 Kaulana na* pua, lei ka 'ilima
 Ke kikowaena, o na* 'ailana

 それは、おとずれるひとびとを飾りもする。
 (そうして)その美しさは、忘れ得ぬ思い出となるのです。

 'Ohu'ohu wale ai, na* malihini
 Ka nani kaulana, poina 'ole

 歌の前半部分で、'Ilimaのレイはそのすばらしさゆえに誰もが知るところ(kaulana)と締めくくられたのを受けて、後半部分では、再びこの「kaulana」ということばがたたみかけるように繰り返されます。それにしても、なにゆえに名高い'ilimaなのか……冒頭のバースに登場する「Kakuhihewa」から、そこに'Oahu島が重ねられていると思われる'ilimaですが、ここでは「島々のなかでも」(o na* 'ailana)、「中心的な存在」(ke kikowaena)とされ、ハワイの島々のなかでの'Oahu島の位置づけが語られているように思われます。そして、そのレイは、島を訪れるひとびと(na* malihini)を美しく飾り、忘れ得ぬ記憶として心に刻まれるとも歌われるわけですが……旅の思い出といえば、その道行きで縁のあったひとびととの、さまざまな出会いだったりもするでしょうか。恋人や、恋人に捧げる大切な思いの象徴とされることが多い「lei」ですが、ここでは、'Oahuにやってくる旅人と、そこに暮らすひとびととのこころの交流が重ね合わされているのではないかと思われます。終始、「na* pua」と複数形で歌われることも重要かもしれませんね。そう、この歌には、代々、'Oahuに生きてきたひとびとの温かいこころや、島を訪れるひとをもてなす心意気みたいなものを誇らしく思う気持ちが、ギュットつまっているのかも……そういえば、オレンジ色の薄い花びらが幾重にも重ねられている、独特の形状が印象的な'ilimaレイでもあります。それは、ひとりひとりの思いの重なりであると同時に、全体として'Oahuのこころ、あるいはKakuhihewaの時代から続く伝統とも言い換えられるような、ある大文字の価値観を象徴しているのかもしれません。

 もういちど、この歌に込めた思いをこころに響かせてほしい。
 'Ilimaのレイといえば、もう誰もがそのなんたるかを知っているのです。

 Ha'ina 'ia mai ana ka puana
 Na* pua lei 'ilima, e kaulana nei

 'Ilimaのレイをみるたびによみがえるある思い……「kaulana」という以上には語られないそれは、先祖代々、ハワイの地に暮らしてきたネイティブのひとびとにならそれとわかる、ある共通する思いだったりするのかもしれません。そう、この歌のしらべのように、静かに、でも熱く、こころにポッとあかりをともしてくれるような―そんなことを考えるうちに、繰り返される「kaulana」を、単に「有名な」と訳してしまうことで抜け落ちてしまうことがらの大きさに圧倒されてしまった、『Na* Pua Lei 'Ilima』なのでした。

by Kau'i Zuttermeister

*:Kakuhihewaは、'Oahuを治め、その偉大さが語り継がれてきたリーダーの名前。島の象徴として語られることが多い。









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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。