I aloha ia no* 'o Kanaio Aloha ku'u one ha*nau 'Olu'olu i ke ahe a ka makani Aloha wau ia* 'oe
もう好きで、好きでしかたないみたいな勢いで、ふるさとへの思いが弾むようなメロディにのせて歌われる『I Aloha Ia No* 'O Kanaio』。気持ちのいい風に包まれる('olu'olu i ke ahe a ka makani)、すがすがしい記憶とともにあるその場所の、くもりなく陽光あふれる様子も目に浮かぶ、幸せな雰囲気に満ちたmeleだと思います。そして、「aloha wau ia* 'oe」(I love you)というフレーズの、なんとも素朴で飾らない表現が、逆にグッとくるんですね。幼いころからの思い出とともにある町は、思いのままに世界を感じることができた子どものこころを、いつでもよみがえらせてくれるものなのかもしれません。
Lei Pimoe i ka 'ehukai E Kanaio puna i ke kai Onaona no kou 'ala Aloha wau ia* 'oe
KanaioはMaui島の南側の海沿いにあるのですが、ここに歌われているPimoeは、Kanaioの山側にある小高い丘の名前です。ゆるやかにカーブするKanaioのビーチと、それにほど近いPimoeとの位置関係からすると、海辺からみわたしたときに、ちょうど丘が海のしぶきに(i ka 'ehukai)取り囲まれているように見えたのかもしれない……なんてことを思いながら訳してみました。旅行者にとっては、シュノーケリングスポットとしても人気があるというKanaio。海にほど近いその町は、いつも潮の香りとともに思い起こされる場所なのかもしれませんね。だから、海水を手でバシャバシャなんてやると、たちまち、あぁ、いまKanaioにいるんだなぁ~みたいな気持ちになったりするのかも……。
Ha'ina 'ia mai ana ka puana Aloha ku'u one hanau 'Olu'olu i ke ahe a ka makani Aloha wau ia* 'oe
そこにいるだけでホッとしたり、やさしい気持ちになれたり……生まれ育った町(one ha*nau)といえば、誰にとっても、ほかとは比べられないかけがえのなさ、みたいなものがあるものだと思います。たとえ取り立てていうほどのこともない町でも、そこにときおりおとずれる風のそよぎを感じるだけで、忘れかけていた大切なことに気づかされもするような……。そうして、思わず口をついて出たのが、繰り返されるこのフレーズ、「aloha wau ia* 'oe」なのだとしたら、それは「好き」という以上に、「感謝」と言い換えてもいいような気持ちが込められているのではないかと思ったりもします。なんにせよ、「いつもこころのどこかにある(i ku'u mana 'o ia* 'oe)」その場所に、「真の美しさが宿っている(u'i maoli ke*ia 'aina)」なんて言えるのは、その土地とともに生き、その自然に生かされてきたひとだからこその、特別な思いがあるからに違いありません。風を感じながら、潮の香りとともにあるおだやかな日常……歌詞からうかがえるのはそれだけですが、それこそが、母なる大地に守られてある日々を象徴するものなのかも―そんなふうに思いめぐらせながら、その表現のなかにあるふるさとに向かうまっすぐな思いが、じんとこころにしみてくる、『I Aloha Ia No* 'O Kanaio』なのでした。
Words by Nina Maxwell, Music by Kenneth Makuakane & Roddy Lopez
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