Ke Ala O Ka Rose

Ke Ala O Ka Rose







 この歌は、Danny Ka’opioという男性が、1923年、彼が17歳のときに、Lokeという女性に恋する気持ちを歌ったものであるとされています。彼はニーハウ島出身のようですが、この歌を作ったときにどこでなにをして暮らしていたのか……といった歌の背景については資料が見つかりませんでした。そのあたりが気になるのはなぜかというと、歌詞の中に、「僕はイタリア製の鞍の皮紐をしっかり締めて、そこにまたがるのさ~」みたいなフレーズが出てくるからです。「イタリア製」といわれると、なんとなくオシャレなひびきはありますが、それ以上の意味があるのかどうかはわかりません。また、彼がカウボーイかなにかをしていて、仕事をしているときも彼女のことをつい考えてしまうということなのか、あるいは「馬にまたがる」ということが、ある身体的なメタファーとして用いられているかもしれないとか……いろいろ考えだすときりがないのですが、17歳のDanny Ka’opio少年が、大好きなLokeと自分の(おそらく)まだ見ぬ未来について、想像力たくましく歌っていることだけは確か。「バラ」(Loke)と「マイレ」(おそらく彼自身)の香りはまざりあい、「海辺のハラの木」と「山の植物マイレ」でもって、僕たち二人はともに愛のレイをつないでいく……と歌われる部分は、自分とLokeが愛し合う姿を妄想しているようにも読めます。そのあといきなり、「ゴールドよりも、ダイアモンドよりも、風に揺れるマンゴー(が僕は好き)」と続き、先の「イタリア製の鞍」のフレーズに続きます。そして、(おそらく馬に乗っている)Ka’opio少年の「口笛の甘いひびきが草原に響きわたる。きみに伝わるよね、僕はここにいるよ」というフレーズであたりで、少年の気持ちは最高潮に盛り上がる……う~ん、若いっていいですね。
 17歳だったということもありますが、子どもから大人に成長していくときの、その境目のところだけにある初々しさみたいなものが感じられることから、「僕」と訳してみました。それにしても、その後、Ka’opioとLokeはどうなったんでしょうか……実在した人物のように語られるだけに、気になるところではあります。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。