He Lei Kaulana

He Lei Kaulana






 Keaweの島、Hawai'iといえば、(思い起こされるのは)Maunakea。
 (そこには)Lehuaで編んだ名高いlei(の力が宿ってもいる……)。
 さぁ、Hawai'iよ、(いまこそこの呼びかけに)答えてほしい。

 'O Hawai'i a'o Keawe、 kaulana o Maunakea
 He lei kaulan i ka lehua
 E o* Hawai'i nei

 Pi'ilaniの島、Mauiといえば、Haleakala*のそびえ立つ姿。
 (そこには)Lokelaniで編んだ名高いlei(の力が宿ってもいる……)。
 さぁ、Hawai'iよ、(いまこそこの呼びかけに)答えてほしい。

 'O Maui a'o Pi'ilani、 kilakila o Haleakala*
 He lei kaulana i ka lokelani
 E o* Hawai'i nei

 Ka*kuhihewaの島、'Oahuといえば、Ka'alaにかかる雲。
 (そこには)Ilimaで編んだ名高いlei(の力が宿ってもいる……)。
 さぁ、Hawai'iよ、(いまこそこの呼びかけに)答えてほしい。

 'O 'Oahu a'o Ka*kuhihewa、 'ohu'ohu o Ka'ala
 He lei kaulana i ka ilima
 E o* Hawai'i nei
 
 Manokalanipo*の島、Kaua'iといえば、威厳に満ちてそびえるWai'ale'ale。
 (そこには)Mokihanaで編んだ名高いlei(の力が宿ってもいる……)。
 さぁ、Hawai'iよ、(いまこそこの呼びかけに)答えてほしい。

 'O Kaua'i a'o Manokalanipo*、 hanohano o Wai'ale'ale
 He lei kaulana i ka mokihana
 E o* Hawai'i nei

 Keaweの島Hawai'i、Pi'ilaniの島Maui、Ka*kuhihewaの島'Oahu、Manokalanipo*の島Kaua'i……と、今日まで名を残すハワイ各島の首領たちの名を挙げながら、それぞれの島を象徴する最高峰と花がたどられている『He Lei Kaulana』。さらっと読むと、ノリのいいご当地ソングみたいな印象もありますが、実はこの歌、地震による津波で甚大な被害を受けた、東北の復興を願うチャリティソングとして作られたものなんだといいます。
 作詞&作曲を手がけたKehau Tamureさんによると、ハワイの島々の精霊たちに、そのパワーを被災地に授けるよう祈願する思いから作られた歌のようです。そう、各バースで繰り返されるハワイへの呼びかけ、「e o* Hawai'i nei」には、そんな願いが込められているわけですね。だとすると、各島ごとに高くそびえる有名な山が登場するのも、先祖の霊も含め、島の神聖なパワーが宿る場所として選ばれているのかもしれません。もっといえば、島を象徴する花のleiにも、単なる花飾り以上の意味があるのかも……たとえば、過去、現在、そして未来も含めて、島に根をおろし、そこに生きるひとびとを表現しているのではないかと思ったりするんですね。彼らの努力がなければ、自然豊かな熱帯の島も、人間が安心して住める世界にはならなかったわけですから……。そう考えると、各バースで歌われる花が、lei、つまり連なりとして語られていることも、ひとびとが連帯することで生まれる力みたいなものの象徴のように思えてきます。

 私の大切なこのmeleは、島々のことを歌ったもの。
 ここでその思いを繰り返すわね。
 (ハワイの)島々こそが、Leiのように連なるパワーそのもの。
 さぁ、Hawai'iよ、(いまこそこの呼びかけに)答えてほしい。

 'Oia ku'u mele no ka pae 'a*ina
 Eia la* ka ha'ina
 He lei kaulana na* mokupuni
 E o* Hawai'i nei

 なるほど、各島に宿るパワーをひとつひとつ語ったあと、最後にそのすべてを集結すべく、再度、呼びかけるわけですね。お~い、Hawai'iよ、その力を与えたまえ!と……。そして、この呼びかけとともに思い描かれているのは、まずはハワイの大地というか自然に備わった、おおいなる力ではないかと思ったりします。命の源であると同時に、ときに人間におそいかかることもある自然。ですが、その破壊力こそが生み出す力でもある―そして、このことをいやというほど知り尽くしているのが、ハワイのひとびとでもあると思うんですね。海底火山の活動あってこそ存在するハワイの島々。そして、いまも燃え上がるKilauea。そんなむき出しの自然と折り合いをつけながら暮らすことこそが、古代から今日まで続く、ハワイの歴史でもあるわけですから……。
 ところで、各島に名を残す首領たちが勢ぞろいしていることも、この歌が被災地を応援する歌であることからすると、枕ことば以上の意味があるようにも思ったりします。というのも、おおむね15~16世紀に生きたとされる彼らは、灌漑や道路の整備といった、いまでいう公共工事的な事業が盛んに進められた時代の、ハワイ各島のリーダーたちだったようなんですね。そして、震災から4年。復興に向けた事業が進むとともに、さまざまな問題も伝わってくる今日この頃。これといってなにも行動してこなかった私なのですが、せめて、被災地のこれからを思いながら、この歌を大切にしなければ……なんてことを思うにつけ、「前をしっかりみてね」といいながら、堂々と体を正面に向けて踊っておられた、優雅なのに力強いKehauさんの姿が目に浮かびます。まさに島の精霊たちを呼び寄せるようだったあの迫力……形だけではない、そこに魂がやどるような、ホンモノのパフォーマンスができるようにがんばりたいと思います。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。