Kamanookalanipo*

Kamanookalanipo*




Makaha Sons of Ni'ihau





Performing Live at Chai's Island Bistro for their HA'A CD Release Party, NA PALAPALAI singing a cut from the new CD, "Ka Manookalanipo"



 Laua'eのさわやかな香りが、ふんわりただよっていたかな。
 そう、あの有名なMakanaの(海が見える)場所(に立ったんだ)。
 (そうして、そこから)Wai'ale'aleを眺めたんだよね。
 (あぁ)Kamanookalanipo*の島(に来たんだなぁ……って、もう胸がいっぱいだったよ)。

 Moani ke 'ala o ka laua'e
 I ka poli kaulana o Makana
 Kilohi i ka nani o Wai'ale'ale
 Kamanookalanipo*

 ちょっと浮き足だったような雰囲気に、誰かに伝えたくて仕方ない思いが表現されているようで、なんとはなしにウキウキ感と楽しさが伝わってくる『Kamanookalanipo*』。タイトルでもあり、歌のなかで何度か繰り返される「(Ka)manookalanipo*」といえば、16世紀にKaua'i島を治めたとされる首領の名。そしてこの歌には、作者自身がはじめてそのKaua'i島を訪れたときの感動が表現されているようです。そう思って聴くと、この歌のはずむような感じは、旅の道中の高揚した気分のようにも思えますし、軽快に刻まれるリズムも、「さぁ、つぎはどこ行く?」みたいな、やや前のめりの道行きを思わせる……というわけで、旅の思い出をたどりながら、「ねっ、聞いて聞いて!」と勢い込んでいる誰かの様子を思い浮かべながら訳語を選んでみました。

 ひとめ見るともう気になって仕方ないくらい(目に焼き付いてしまう)。
 (そんな)mokihanaの美しさなんだ。
 (しかも)旅人(なら誰も)が好きになってしまうような、そんな香り(もしたりして)。
 花園のような島として有名(なはずだよね)。

 Ho'ohihi ka mana'o ke 'ike aku
 I ka nani o ka pua mokihana
 Ke 'ala ho'oheno a ka malihini
 Kihapai pua ua kaulana

 世界的にみても降雨量が多いKaua'i島は、ハワイのほかの島々と比べても緑豊かなことで知られている(ua kaulana)ところから、「kihapai pua」(Garden isle)とも呼ばれるようです。そしてここでは、どんなところなんだろう?と夢にまでみたその場所をはじめてみたときの感動が、Kaua'i島固有の植物、mokihanaを体感したときの香りの思い出とともに語られているわけですね。それにしても、ひとたび見たら(ke 'ike aku)、そのときの思いが頭から離れない(ho'ohihi)なんて、よほど印象深いmokihanaとの出合いだったのでしょうか。なんにせよ、香り(ke 'ala)を反芻できるのは、そのかぐわしさに包まれた体験あってのこと。写真やネットではない、リアルな体験あってこその表現だと思います。

 おだやかに呼吸するようなKaua'i島。
 (それで)群のような雲が、高くステキにあらわれたりもする。
 そう、はじめてだったんだ、あんなに美しい光景をみたのは……。
 Ha*'upuのいただきに雲がかかっていたりしてね。

 Ahe nani Kaua'i i ka malie
 Ku* kilakila i ka pae 'o*pua
 'Akahi ho'i au a 'ike i ka nani
 Ke kau o ka 'ohu ai i Ha*'upu

 「Ahe」は「風が吹く」といった意味で用いられることばですが、大きく空気の流れと考えて、Kaua'i島がおだやかに(i ka malie)呼吸すると訳してみました。ゆったりと流れる空気と、おだやかに循環する水蒸気。そうしてときおり現れる雲が、風にのって山のいただきで一休み……なんてこともあったりするんでしょうか。ときを忘れて眺めてしまいそうな、美しくものどかな光景が目に浮かびます。
 ここで雲がかかっているとされる山、Ha*'upuは、Kaua'i 島の南東部にある入り江、Na*wiliwiliあたりから南へ目を向けると、ちょうど視界に入ると思われるあたりに位置します。それにしても、「'akahi ho'i au」(はじめてだったんだ)という表現、思わず口をついて出たといった感じがして、ホントに美しいHa*'upuの光景だったことがうかがえます。また、最初のバースで歌われていた場所、Makanaは、島の北側に広がるHanalei地方、Wai'ale'ale山を背にした海側にあり、Kaua'i島をぐるっと回る旅だったこともうかがえます。同じ島でも、ところ変われば、そこかしこに別の感動でもって迫ってくる風景が広がっているような、そんなKaua'i島だったに違いありません。

 Mokihanaの飾りを身につけたりもしたんだ。
 (あの)有名な美しさに包まれたことは、忘れられない(思い出かも)。
 (といわけで)もうこころに響いていると思う、あの名前をもう一度……。
 (Kaua'iといえば)Kamanookalanipo*なんだ。

 Ua 'ohu i ka wehi o ka mokihana
 Me ka nani kaulana poina 'ole
 Ha'ina ka inoa, ua lohe 'ia
 Kamanookalanipo*

 Manookalanipo*の島、愛しいKaua'i
 雨にぬれるHanaleiは美しく、
 (たくさんの)滝とともにあるNa*molokama、
 (そして、Kaua'iで育つ)Mokihanaこそが、あの島を象徴するlei(であり、その思い出そのものなのです)。
 
 Manookalanipo*, aloha Kaua'i
 Nani 'o Hanalei me ka loloku
 'O Na*molokama me ka wailele
 'O ka mokihana, he lei maoli no*

 Mokihanaの(o ka mokihana)飾りを(i ka wehi )身につけた(ua 'ohu)こと……それは、そのかぐわしい香りに包まれる体験が、忘れ得ぬ感動でもってこころに刻まれた、とびきり特別なものだったようです。そして、この最後のバースの「mokihana」は、単に植物の記憶というだけにとどまらない、Kaua'i 島のすばらしさすべての象徴として用いられているのではないかと思ったりもします。それにしても、なぜかいわずにおれないKamanookalanipo*……おそらく、Kaua'iといっただけでは足りないなにかがあるに違いありません。そんな、古きよき時代のKaua'iに出合った旅の思い出のすべてが、ギュッとつまったような『Kamanookalanipo*』。ありのままのKaua'i島に向き合った素直な感動が、ストレートにこころに響く一曲でした。

Kau'i Zuttermeister


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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。