お~いって呼んでみる。 1本のマストで進むMoku Kia Kahiのことを。 順風満帆、帆もしっかりふくらんでる(のを確認しながら)。
'Auhea wale ana 'oe Kahi moku kia kahi Loa'a i ka fea wini Popohe pono na* pe'a
軽快に連なるリズムのスピード感が、風を受けて颯爽と大海原を駆けぬけるmoku(船)の、勇壮な姿を思わせる『Moku Kia Kahi』。「Fea wini」(fair winds)と英語由来のハワイ語が使われているあたり、なにか特別な航海が描かれていることを予感させますが、それにしても、なぜ2本でも3本でもなくて、1本マストの帆船なのか……。その不安定な感じも、スリリングな印象を増幅させるための演出だろうか?なんてことを思いつつ、とりあえず次を読み進めてみると……。
'Alawa iho ku'u hana Kiki'i kapakahi ana Ku* aku i ka 'ina Nakeke ke kaula hao
さぁ、いよいよ大詰めってところでしょうか。あらためて、自分の行為(ku'u hana)のできばえを確かめているようです。「'Alawa iho」ですから、ちょっと目線を落としている感じもありますが*、みると片側が傾いていた(kiki'i kapakahi)ようですね。でも大丈夫、ともかく船を止めるんだ……と、ますます慎重にことを運んでいきます。先のバースでは、船を「ku* mai malama」(注意深く止める)とされていたのと同じことがここでも語られていますが、なんだか表現が違っていて微妙です。というのも、どういうわけか、ことば通りに読むと「i ka 'ina」(ウニ)のなかに止めると語られているんですね。もしかすると、なにかを(1本のマストを?)そのやわらかいなにかに突き立てると考えた方がいいのかもしれませんが、いずれにせよ、ますます謎が深まる1本マストって感じでしょうか**。
もうなにを歌ってるかわかってくれたかな。 お~い、大丈夫か~(って呼びかけたくなるときだってあるのさ)。 さぁ、もう一度いうよ。 Moku Kia Kahi(といえば、マストは1本なんだ)。
なんとなくわかってきたような気もしますが、このmeleに関しては、「no ka moku kia kahi ke aloha」(1本マストの船こそがわが愛のあかし)と歌われる、『No Ka Moku Kia Kahi Ke Aloha』(by Keali’i Reichel)もあわせて読むと、「moku kia kahi」の意味するところがみえてくるように思ったりします***。そう、1本だからできることがある、というか感じることがある。不安定だからこそ、さっそうと風を受けて進むときの爽快感といったらないはずですから……と、あれこれ妄想もふくらむ『Moku Kia Kahi』なのでした。
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