'Ohai Ali'i Kaluhea

'Ohai Ali'i Kaluhea





 ステキに香る'Ohai Ali'iの花
 至高のものたちがもたらした、尊く気品に満ちたlei。
 なんてうるわしいあなた、いとしいひと。
 愛すべきlei、(それは)気高きものたちの思いで編まれた、この上ない花飾りのよう……。

 'Ohai Ali'i Kaluhea
 Sweet lei hiwahiwa mai na* lani
 He nohea 'oe, e ku'u makamae
 Lei aloha, lei kula a na* ali'i

 天高くひびきわたるように思われる美しいメロディが、愛するひとへの熱い思いを高らかに歌いあげている……そんな印象のある『'Ohai Ali'i Kaluhea』。タイトルにもある「'ohai ali'i」は、その赤や黄、オレンジといった美しい花が、leiなどの花飾りとして用いられることも多いマメ科の植物。そしてここでは、そのleiが「高貴なひとびとから」(mai na* lani)もたらされたように「価値ある」(hiwahiwa)とされ、その花にたとえられたひとのことを、まるで捧げ持つように大切に思っていることがうかがえます。もしかすると、「'ohai ali'i」に「ali'i」(貴族的な、ひとの上にたつひと)ということばが含まれていることも、その花が選ばれた理由なのかもしれませんが、なんだか観音様を拝んでいるような雰囲気も感じられることから、ややかためのことばを選んで訳してみました。
 それにしても、「sweet lei」と呼ばれる誰かは、いったいどんなひとなんだろう?……その後に続く「hiwahiwa」(価値ある)、「lei aloha」(愛すべきlei)といった描写が、いくらことばを重ねてもいい尽くせない、その大切なひとへの思いをあらわしているようにも感じられます。あるいは、このバースの最後の「lei kula a na* ali'i」の部分に、その全体像が語られているのかも―そう、「kula」(gold、金色)に輝くそのleiは、「na* ali'i」(高貴なひとびと)によって編まれたもの。ここでは、手紙をしたためるように思いを形にする行為としてのleiメイキングをイメージしながら、「気高きものたちの思いで編まれた」と訳してみました。それでも、「na* ali'i」と呼ばれるひとびとの気高さをどのように感じ取るか?という問題は残りますが、なんにせよ、「かぐわしい」(kaluhea)「ohai ali'i」にたとえられるあなたは、このだれかにとって、かけがえのない大切なひとなわけですね。

 ぼくのかぐわしい花は、きわだった魅力に満ちていて、
 Ko'olauの山々に守られて咲き誇るのです。
 (でも)きみを守り大切にするのはこのぼくなんだ。
 こころのどこかで、いつもきみを求めているように感じる。

 赤い花を編み、黄色い花を編んだら、
 もうそこにはalohaが宿っている。

 Hiehie ku'u pua onaona
 Kupuohi i ka malu o ke Ko'olau
 'O ka'u no* ia e pu*lama nei
 Ka 'ano'i a ku'u pu'uwai

 I wili 'ia me ka 'ohai 'ula(me ka 'ohai mele)
Ulana ke aloha i lei wili pa*pahi

 ここでは、「ohai ali'i kaluhea」(かぐわしいohai ali'iの花)のことが、「ku'u pua onaona」と少しことばを変えて描写されています。そして、これに続く「Ko'olauの山々の」(o ke Ko'olau)「庇護のもとで」(i ka malu)という表現にも、その花にたとえられる誰かが特別な存在であることが感じられます。それにしても、「きみを守るのは」(e pu*lama nei)「このぼくなんだ」('o ka'u no* ia )と、やや強い仕方で語られるところは*、けっこう迫力というか勢いがありますね。そして、「i wili 'ia~」ではじまる後半は、leiで表現されるイメージが無限大に広がっていきそうにも思われる、シンプルで深い表現ではないかと思ったりもします。そう、leiを編むことは、なによりもalohaの思いを形にすること(ulana ke aloha)なんですね。
 
 そっとふれたくなる花のようなあなた(にこの思いが届くでしょうか)。
 私はあなたをこんなにも求めている、尽きることなく……。
 Alohaでもって(ことばを紡いだ)大切なmeleで、
 愛すべきlei、気高きものたちの思いで編まれたこの上ない花飾りのよう(なあなたのことを、ぼくは伝えたかったのです)。
 
 (この歌を)かぐわしい'ohai Ali'iに捧げます。
 
 Pua lahilahi, e maliu mai 'oe
 He li'a ko'u ia* 'oe, a mau loa e
 Puana ku'u mele me ke aloha
 Lei aloha, lei kula a na* ali'i

 E 'ohai ali'i Kaluhea

 繊細で、そっとさわらないとこわれてしまいそうな花(pua lahilahi)に、「ねぇ、聞いてくれる?」(e maliu mai 'oe)と呼びかけることばは、耳元でかすかにささやくような、ことば以前のひそやかさだったりするのかもしれません。そして、このやさしさあふれる表現に続く箇所、直訳すると「(ぼくは)きみへの(ia* 'oe)欲望(he li'a)を持っている」とも訳せるフレーズは、その直球さゆえに、逆にこころをゆさぶる強さがあります。
 こんなふうに、leiをめぐるハワイ語の世界独特のイメージの豊かさを楽しめる『'Ohai Ali'i Kaluhea』。自らも根をおろす大地のめぐみでもって、leiを編む文化を育んできたハワイのひとびとならではの、みずみずしい感性が感じられる一曲でした。

*:ここでの「'o」は、強調したいことばが文頭にくるときに付加されたもの。
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コメント

Yosee TAKAHASHI

素晴らしい解説でした…
思わずため息が出そうなほど。

ありがとうございました!

隙間のりりー

Takahashiさま
コメントありがとうございます。

meleの勉強会もやってます。ご興味ありましたらぜひご参加ください。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。