Ko*ke’e

Ko*ke’e


 Ko*ke’eの、あのすばらしい頂を(つい)考えてしまう、ほんとうに美しい、霧が丸く円を描いているあの場所を……「Ko*ke’e」は、カウアイ島西部、Waimeaにある山の名前です。繰り返されるフレーズで、「私の大切なレイのようなWaimeaよ、二度とさよならなんて言わないからね」と歌われるのですが、2番の歌詞では、Ko*ke’eに思いを寄せる誰かは、「東へ、あの太陽が暑い場所へ、海のささやくPo’ipu*へ戻ります」と、なぜか東へ向かうと歌われます。大好きな「Ko*ke’e」を離れて、東にあるPo’ipu*という場所に行く仕事でもあったのか、ちょっと行ってみたかったのか……そのあたりはわかりませんが、最後には、「私は、聖なる場所、Ko*ke’eのその美しさをたたえて歌います」、そして「私はまさにいま、Ko*ke’eを、そのいただきに霧が丸く円を描いているその姿を見ている」と、再びKo*ke’eを見上げる感動にふるえている、そんな印象でしめくくられます。
 自然を歌っているだけのようで、実は大切なだれかのことを思いながら歌われていることが多いのも、ハワイ語の「kaona」(一つのことばにいくつかの意味をあわせもたせる修辞法)の特徴のひとつです。なんといっても、自然が神的なものに近い位置にあるとされるのが、伝統的なハワイのひとびとの考え方であることを思えば、自然になぞらえられる相手というのは、誰かにとって、最高の、かけがえのない誰かであると想像されますが、それなら東へ行くなよ(笑)と、ちょっとからかってみたくなるのは、「二度とさよならは言わない」の部分だけ、英語で歌われているからかも……それはともかく、軽快に歌われるメロディラインが、さわやかに駆け抜けるハワイの風を感じさせる、そんな『Ko*ke’e』なのです。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。