Pua Lililehua

Pua Lililehua





Hi'ikua (Kalehua Krug, Kamuela Kimokeo, Blake Leoiki-Haili) with hula dancer Kawena Mechler



 この気持ちをあなたに届けたい。
 Lililehuaの花のような、大切なあのひとに。
 もういとおしくて仕方なくて、いつもこころのなかにいる、そんなひと……。

 ‘Auhea wale ana ‘oe
 E ka pua li*li*lehua
 A he ipo ho’ohenoheno
 E ho’ohihi ai no* ka mana’o

 ずっと温めてきた熱い思いを、大切なあのひとに届けたい……。そんな一途な思いが、静かに語りかけるように歌われる『Pua Li*li*lehua』。起伏の少ないメロディラインが、あふれそうになる思いを抑えつつ歌う誰かの、せつない思いそのもののように心に響きます。

 あなたがいるんじゃないかと思って、
 まちの美しい風景のなかを探してみたり……。
 (そんな気持ちで)いま、私はここにいる。
 あなたが戻ってくるのを待ちわびながら。

 Ia* ‘oe e ‘imi ana
 I na* nani o ka ‘a*ina
 Eia no* la* au ma ‘ane’i
 E kali ana i kou ho’i mai

 生い茂る木々の陰から、いや、もしかするとあの坂道の向こうから、あのひとがふいに現れたりしないだろうか?なんてことを思いながら、美しい風景のなかについいとしい面影をさがしてしまう……。このバースの前半には、どこか夢のなかをさまようような雰囲気があります。ですが、あとに続く「いま私はここにいる」(eia no* la* au ma ‘ane’i)のところで、なぜか一変するんですね。急にわれに返るような仕方で、なにか重大なことを決心したみたいに……。そう、いつまでもあなたを待っていよう、私のこの気持ちがあなたに届くまで、と……。

 ちらっとでいい、ぼくに振り向いてくれないか。
 そのかわいらしい澄んだ瞳で。
 忘れられないあのまなざしは、
 きみのこころのふるえそのものに思える。

 E ‘alawa mai ho’i ‘oe
 I nei mau maka onaona
 He mau maka po’ina ‘ole
 E kapalili ai ko* pu’uwai

 ほんのちょっとでいい、その素敵な瞳でこちらを見てくれないか……。「見る」にもいろいろありますが、ちらっと目を向ける(‘alawa)なんて控えめなことばが選ばれているあたりに、もしかすると、このふたりの微妙な距離感が暗示されているのかもしれないと思ったりします。あるいは、もっと近くであなたのことを感じたいと思った瞬間に、手を伸ばせばふれることができる隔たりさえ、もどかしく思えてくるのかも……。でも、もう感じているんですね。その忘れがたいまなざしのわずかなふるえに(he mau maka po’ina ‘ole e kapalili ai)、あなたの思い(ko* pu’uwai)がしっかりあらわれていることを……。

 熱い愛の思いは、かたいきずなとして編まれるもの。
 8本それぞれに、しっかりと思いを込めて。
 ゆるんだりすることは決してない(とこころに誓って)。
 あなたと私が、ずっといっしょにいられますようにと……。

 Hilo pa’a ’ia ke aloha
 I ka lino hilo pa*walu|
 ‘A’ohe mea e hemo ‘ai
 Me au ‘oe a mau loa

 8本それぞれに(pa walu|)思いを編み込む……かたくしっかりと(hilo pa'a)という描写が、その思いというか決意が、なみたいていのものではないことをうかがわせます。それにしても、なぜ8本なのか……もしかすると、思いを届けたい大切なひとは、Pua Lililehuaと呼ばれるあなた以外にもいるのかもしれません。そう、あなたと私の関係がずっと続くためにも(me au ‘oe a mau loa)、そのひとたちとの絆が重要であるような……。 

 ぼくのこの思いは届いただろうか。
 Lililehuaのような、いとしいあのひとに。
 もういとおしくて仕方なくて、いつもこころのなかにいる、そんなひと……。

 Ha’ina mai ka puana
 E ka pua lililehua
 A he ipo ho’ohenoheno
 E ho’ohihi ai no* ka mana’o
 
 ハワイ語でサルビアの花を意味する「Lililehua」は、Honoluluの山側に位置するPa*loloに降る雨風の名前でもあります。と同時に、その地に残されているmo'o(大トカゲ)伝説では、そのmo'oが愛した女性の名前でもあるといい、もしかすると、かなわぬ恋を連想させるような、そんなLililehuaのイメージもあるんだろうかと思ったりもします。しかも、この歌を作曲したKahauanu Lake(1932-2011)が思いを寄せ、この歌を捧げたとされるMargaret Ma'iki Aiu(1925-1984)は、そのPa*loloの地に住んでいたようです。だとすると、その面影をたどりながら、LililehuaにぬれるPa*loloの風景を、ひとりさびしくながめることがなんどとなくあったのかもしれない……なんてことまで、つい想像してしまいます。
 ともあれ、二人はめでたく結婚するにいたるのですが、当時kumu hulaとして活躍していたMa'iki Aiuは、すでに結婚歴も子どももある女性だったようです。一方のKahauanu Lakeもミュージシャンとして成功をおさめていた人物で、ともにステージに立つこともあっての縁だったかもしれませんが、二人が結ばれるまでには紆余曲折があったのでは、なんてことを思わせるところがこの歌にはあります*。そんな、ひとことではいいつくせない人生のひだの部分が、美しいメロディと詩的な表現で幾重にも折りたたまれているように思われる、『Pua Lililehua』なのでした。

by Mary K Puku'i & Kahauanu Lake

*:先に登場する「alohaを8本に編む」といった表現は、Kahauanu Lakeが、これから家族になる子どもたちなど身近なひとの顔を思い浮かべながら歌ったものではないかと思われます。それに加えて、ハワイ語の世界では4の倍数が縁起のいい数字とされることも、8が選ばれている理由なのかもしれません。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。