Royal Hawaiian Hotel

Royal Hawaiian Hotel











 みるとなんだか気持ちがもりあがってくるのよね。
 Royal Hawaiian Hotelだもの。

 Uluwehiwehi 'oe i ka'u 'ike la*
 E ka Royal Hawaiian Hotel

(hui)
 美しくてきらきらしてる。
 ホント素敵なところだわ。

 A he nani la*, ke hulali nei
 A he nani maoli no*
 
 美しく、きらきらしていて、もう見てるだけでうっとりしてしまう……そんな華やかなホテルのイメージが、あふれんばかりに歌われる『Royal Hawaiian Hotel』。Royal Hawaiian Hotelといえば、ホテルが建ち並ぶWaikikiでも、そのピンク色の外観でひときわ目立つ存在。しかも、この歌は、1927年にホテルがオープンするにあたって作られたものなんだとか。それほど商業施設もなかったであろうWaikikiで、いまよりももっと光輝いてみえたであろうRoyal Hawaiian Hotelには、まるで夢の世界への入り口のようにも思える、特別な空間が広がっていたに違いありません。
 
 私たち、ベルベットのカバーがかかったベッドで眠るのよ。
 手触りがよくてなめらかで、いい感じよね。

 Ka moena weleweka moe ka*ua la*
 He pakika he pahe'e maika'i nei

 緑がかった大理石の壁(がりっぱで)、
 なんだか虹がいつもかかってるみたいだわ。
 
 Ka paia ma*pala 'o*ma'oma'o la*
 He pipi'o mau e* ke a*nuenue

 そう私たち、今晩はRoyal Hawaiian Hotelに泊まるの……みたいな感じで、先のバースではその姿をみただけで、もうワクワクが止まらない感じでしたが、部屋に入ったとたんに、さらにテンションが上がったようです。というのも、きちんと整えられたベッドが、あまりに気持ちよさそうだったから……。つるっとした触感とすべるようなその光沢(he pakika he pahe'e)なんて表現は、ベルベットの高級感だけでなく、それに触れてみたひとの生の感動を伝えてくれるようです。また、このあとに続く「いつも虹がかかっているよう」と描写される大理石の壁も、ホテルのそこかしこにちりばめられた、非日常の象徴のようにも思えたり……そう、繰り返し歌われるように,とにかくもうRoyal Hawaiian Hotelは、なにもかも光輝いているんですね(ke hulali nei)。

 砂浜に出ると波の音がやさしく響いてくる。
 そう、li*poaの海藻もふんわり香ってきたりして。 

 'O ka hone a ke kai i ka pu'u one la*
 Me ke 'ala li*poa e moani nei

 ココナツの葉がゆうらゆら。
 真夜中の景色(も格別なの)。

 'O ka holu nape a ka lau o ka niu la*
 I ke kulukulu 'aumoe

 ビーチのほん近くにあるRoyal Hawaiian Hotel。そのロケーションからすると、おそらくその敷地内から、砂浜が続いていたりもするでしょうか。それで波の音も静かに響き、気持ちのいい風が海の香りを連れてもくるようです。それにしても、ちょっと想像しがたいのは、真夜中にヤシの木がゆれるさま。というか、これは宿泊したひとしか知らない、夜のホテルライフの静かないろどりといったところでしょうか……。

 Royal Hawaiian Hotel、
 それは誇らしさに満ちた由緒ある場所。

 E o* e ka Royal Hawaiian Hotel
 Kou inoa hanohano ia la*

(hui)
 美しくてきらきらしてる。
 ホント素敵なところね。

 A he nani la*, ke hulali nei
 A he nani maoli no*
 
 Royal Hawaiian Hotelの位置するあたりも含め、Waikikiの海沿いのあたりは、その昔、王族やali'i(chief)と呼ばれるひとたちが、サーフィンや水泳を楽しみ、気持ちのいい風にふかれておだやかな時を過ごすような、まさに「royal」な場所だったようです。19世紀に入って欧米諸国との交流がさかんになり、王族中心の政治体制の終焉、合衆国への併合という時代の流れのなかで、古きよきWaikikiの風景も移り変わっていきますが、そんな時代を背景に、Waikiki初の本格的な欧米式の宿泊施設「Moana Hotel」が建てられたのが1901年のこと。その後、さらに観光振興が進められるなか、1927年に誕生したのが「Royal Hawaiian Hotel」でした。
 ピンクの外壁というのがなによりひと目を引くRoyal Hawaiian Hotelですが、その建築スタイルも「Moorish-style」(ムーア人風)*という、ハワイでも西欧でもないあたりが、その奇抜さを際だたせているように思ったりします。遠目に眺めると、テーマパークのお城のようにも見えるそのデザインが目指したものは、欧米人にとっての究極のエキゾチシズムだったのか?……なんてことを思いつつ、それでも「Royal Hawaiian」の名を掲げてきたねじれの部分を感じながら、あのホテルの「どこでもない雰囲気」があらためて思い起こされた、そんな『Royal Hawaiian Hotel』なのでした。

by Mary Robins(1927)

*:アフリカ北西部に住む回教徒。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。