Moku O Keawe

Moku O Keawe







 Keaweで名高い愛すべき島。
 (それは)ホッとする美しさに包まれたところ。

 He aloha moku o Keawe
 'A*ina i ka nani me ka maluhia

 (それでつい)カリフォルニアと比べてしまうのよ。
 数ある島のなかでも、ハワイはナンバーワンだなって。

 Ho'oku*ku* wau me Kaleponi
 Hawai'i no* ka 'oi o na* 'ailana

 印象的に繰り返される高音のロングトーンが、愛するふるさとへの熱い思いそのもののようにこころに響く『Moku O Keawe』。美しいだけではなく、ホッとする(me ka maluhia)という表現は、長年そこで暮らしてきたひとならではの感覚かもしれません。それにしても、なんでカリフォルニア(Kaleponi)なの?!って感じですが、なんでもこの歌は、Kala*kaua王お抱えの宮廷ダンサー、Emalia Kaihumuaが、サンフランシスコを旅したときに故郷を思いながら作ったものなんだとか。1894年のことだといいますが、船旅で数週間もかかる遠い国で、こころ細い思いをしたのかもしれませんね*。

 オーストラリアって名前の船が、私を連れてってくれた。
 で、見知らぬ土地に行ったってわけ。

 Na ka 'Aukekulia i kono mai ia'u
 E naue i ka 'a*ina malihini

 うっわ、すごいって思いながら眺めたわ。
 (そこは)すっぽり霧に包まれていたの。

 'A*ina kamaha'o i ka'u 'ike
 Ua uhi pa'apu* 'ia e ka ua noe

 寒さって肌を白くするものなんだってわかったわ。
 (で白い肌のひとたちって)暖炉であたたまったりするわけよ。

 'Ike i ka hau ho'okuakea 'ili
 Ho'opumehana i kahi kapuahi

 見知らぬ土地で(ka 'a*ina malihini)、なにもかもがめずらしく思えたはずですが、なにより印象的だったのは、霧に沈む寒々とした街並みだったようです。雲もどんよりたれ込めて、太陽もその姿をあまり見せてくれない、そんな季節だったのかもしれませんね。そして、「肌を白くする」(ho'okuakea 'ili)なんて極端な表現がなされていることからすると、「ka hau」は「寒さ」というより「雪」だったのかも……。さむい、さむいとつぶやきながら、ストーブにへばりついていたんでしょうか。

 肌をさすような寒さって、いとしいひとを思わせるところがあるの。
 (それで)戻ってきて!って呼ばれてるような、そんな気分になったりするのね。

 Ka 'iniki a ke anu me he ipo ala
 E koi mai ana ia'u e ho'i
 
 思いは遠く、彼方の地を求めてさまよう。
 私、何千マイルも離れたところにいるんだなって。

 I laila huli hope ko'u mana'o
 A he kaukani mile ko'u mamao

 彼の地への思いがわき上がる。
 のどごしのいいpoiのことなんかも(恋しくて)。

 Hu* mai ke aloha no ka 'a*ina
 No ka poi 'uo'uo ka*ohi pu'u

 ハワイの穏やかな気候に慣れたひとには、そうとう寒さがこたえたようですね。そして、肌をさすような(ka 'iniki a ke anu)つめたさに耐えながら、大好きなあのひとに会いたい、こごえる心もからだも暖めてほしい……なんてことを思ったんでしょうか。帰りたくてもそうそう帰れない距離が、よりいっそう望郷の思いをかりたてたのかもしれません。なんだか食事もあわないし、私はいつものpoiが食べたいだけなのに……みたいな、深いため息さえ聞こえてきそうです。

 私のこの気持ちが伝わったかしら。
 ふるさとへの思いを、大切なlei(を編むように歌)に込めてみたの。

 Ha'ina 'ia mai ana ka puana
 Ke aloha 'a*ina ku'u lei ia

 歌のそこかしこから、「なんで私、こんなとこにきちゃったんだろう!?」みたいなため息まじりのつぶやきがもれ聞こえてくる『Moku O Keawe』。カリフォルニアだっていいところはあると思うのですが、やっぱり、ハワイでないとダメななにかがあるようです。おそらく「he aloha」(愛すべき存在)といっても、そとからハワイを眺めるひとには決してわからない部分、その環境に守られつつ日々生活しているひとだけが知っているなにかがあるに違いない……そんなことを思わせられた一曲でした。

*:彼女の旅の目的は、ハワイ代表としてダンスの世界大会的な催しに参加することだったようです。なお、オリジナルのメロディは伝わっておらず、現在、知られているのは、1940年のBill Ali'iloa Lincolnによるもの。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。