Pua 'A*hihi

Pua 'A*hihi




A live performance from March 2007 at the Kamehameha Song Contest.



 'A*hihiの花、きみってなんだか、ぼくの燃える欲望そのものだなって思う。
 この思いでもってずっと触れていたい(……なんて感じさせる)leiのようなひと。

 Me 'oe ka 'ano'i e ka 'a*hihi
 Ka lei milika'a a ka'u aloha

 ことばにならない熱い思いが、メロディとともにあふれ出すきわのところに、身につまされるほどの切なさを感じてしまう『Pua 'A*hihi』。大切なひとになぞらえて歌われる「'a*hihi」は、O'ahu島の南西部、Nu'uanuの高地にみられるlehuaの一種で、その赤い花がleiにも好んで用いられる低木です。小さくて繊細な葉や、しなって垂れ下がる枝がその特徴なんだといいますが、そのうねりからまるような形状をあらわすのが、その名に含まれる「hihi」。「Hihi」には「巻き付く」「からまる」という意味があって、「ho'ohihi ka mana'o」(思いが頭から離れない)といった用いられ方もすることばです。'A*hihiの花に向けて「きみは(ぼくの)熱い思いのようだ」(me 'oe ka 'ano'i)と歌われるのは、そのもの思うような姿に、いくらでもわき上がってくる自分自身の情熱や、欲望をみる思いがしたからかもしれません。

 この上ない宝物が、ぼくのところに授けられた……っていうのかな。
 (それで)こころのなかにかぐわしさがただよっているよう(なそんな気分なんだ)。

 He aloha makamae ka i hiki mai
 He 'ala honehone i ka pu'uwai

 きみってすばらしすぎる……と、つい見とれてしまう。
 Lanihuliの峰にも届くかと思う、その気高さといったらない。

 He waiwai 'oe i ka'u 'ike
 Ua kehakeha i luna a'o Lanihuli

 『Pua 'A*hihi』は、Kahauanu Lake(ミュージシャン、1932–2011)が、彼のパートナーであるMaiki Aiuにプレゼントした楽曲だとされていて、上のバースに登場する「Lanihuli」は、彼女が住んでいたPaloloの町と同じ地域にある山の名前だったりします*。おそらく、美しい山のある風景を見上げながら、そこにいとしいひとの面影を重ね合わせたのでしょうか……「この上ない宝物が、ぼくのところに授けられた」(he aloha makamae ka i hiki mai)なんて表現に、その満ち足りた気分が十二分に感じられるように思います。その一方で、Kahauanu Lakeは、彼女と結ばれるまでの過程で、相当つらい思いもしたのではないかと想像される楽曲も残しています**。もしかすると、やっとの思いで結ばれたひとだからこそ、思いがけず神さまから授かったような、どこか奇跡にも似た運命みたいなものを感じていたんでしょうか……。いずれにせよ、因果関係をたどることが無意味なくらい偶然に満ちている男女の縁には、神からの贈り物としか言えないような、実に不思議なところがあるような気がします。

 ねぇきみ、さぁぼくのもとへ、いっしょにいい時間を過ごすんだ。
 そうしてこのぼくを、きみのその胸で温めてほしい……。

 Huli mai no* 'oe 'olu ka*ua
 I mehana ho'i au a i kou poli
 
 ぼくの大切なあのひとにささげた、この思いは伝わったでしょうか。
 Lanihuliの'a*hihiの花(のような、あなたへのこの思いが)……。

 Ha'ina ka puana no ku'u lei
 Ka pua 'a*hihi a'o Lanihuli

 さぁ、こっちを向いて(huli mai)、ふたりで気持ちよくなろうよ('olu ka*ua)……この終盤の盛り上がりの部分には、二人きりで過ごすあまい空間に、熱くむせかえるような空気が充満しているさまを目のあたりにしたような、そんな印象があります。もっといえば、愛し合う二人の姿も思い描けるほどに、どこか皮膚感覚にうったえかけてくるものもあるような……。こんな具合に、はてしなくイマジネーションをかき立てられてしまう『Pua 'A*hihi』。ときにからみ、もつれにもみえるほど結び合う'a*hihiの姿は、思いのままに求め、与え合う二つの個体そのものだったりするのかもしれない、と想像しています。 

*:Lanihuliは、O'ahu島南西部に位置する、Nu'uanuの山々に含まれる峰の名前。
**:『Pua Lililehua』参照。http://hiroesogo.blog.fc2.com/blog-entry-274.html

words by Mary Kawena Pukui, music by Maddy Lam(1950)

 
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。