Lā'ieikawai




 Lāʻieikawaiは、あの山の奥深く、
 Paliuliの地にいる。

 Aia Lāʻieikawai
 I ka uka wale lā o Paliuli

 美しく、比べるものもないほどの、Paliuliの女神……。

 'O ka nani helu 'ekahi o Paliuli

 その高貴な方がお出ましになるときは、
 鳥たちの羽ばたきにのってやってくるんだという。

 Kau mai lā ke ali'i
 I ka 'ēheu o nā manu

 抑揚の少ない、シンプルで風のささやきのようにも感じられるメロディが、聞く人の心を静かに満たしていくようなところがある『Lāʻieikawai』。 曲名になっているLāʻieikawaiは、14世紀ごろに実在したとも語られる伝説の主人公。といっても、世界各地で語られてきた民話や神話が、この世とあの世、人間の世界と神の領域といった、あらゆる境目のところでつむがれてきたように、Lāʻieikawaiの物語には、人間の姿かたちを持ちながら植物や太陽の化身でもあるような、この世のものとは思えないキャラクターたちが登場するなど、なんとも不思議に満ちた物語空間が広がっています。なかでもLāʻieikawaiは、とりわけ神的な存在として描かれていて、歌にもあるように、彼女がPaliuliと下界とを行き来するときは、鳥たちが彼女を運ぶと語られます。そうして、日々、彼女に仕える鳥たちは、彼女のためにlehuaの花の蜜を集めたりもする……そう、Lāʻieikawaiの食事は、なんと花の蜜なんですね。この歌の、どこか遠い世界から響いてくるような感じは、そんなLāʻieikawaiがまとう神秘的な雰囲気そのものなのかもしれません……。

参考文献
1)Beckwith M: Hawaiian Mythology. Honolulu, University of Hawai’i Press, pp526-538, 1970
2)Kalakaua: The Legends and Myths of Hawaii. Tokyo, Chales E Tuttle, pp453-480, 1972
3)Hale'ole SN: Lāʻieikawa. Honolulu, Kalamaku* Press, 2006
4)Loebel-Fried C: Hawaiian legends of dreams. Honolulu, University of Hawaii press, 2005

『Lāʻieikawai』(by Kawaikapuokalan Hewett)について、zoomオンライン講座で解説しています。アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html



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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。