U’ilani (Heavenly Beauty)

U’ilani (Heavenly Beauty)





 U’ilaniちゃん、大好きよ。
 ずっと触れていたい(なぁって思うわ)。
 (たとえるなら)ずっと瑞々しさが消えない、(魔法の)花のブーケってとこかしら。
 おじいちゃん、おばあちゃんにとっては(そうだと思うわ)。

 U’ilani  ku’u  lei
 Ku’u  milimili  e
 He  po*ke*  pua  mae ‘ole ‘oe
 No  na*  ku*puna

 ゆったり、まったり響く歌声が、U'ilaniちゃんのかわいらしさに目を細めるだれかの、いまにもとろけそうな表情を連想させる『U'ilani』。お花のブーケ(he po*ke*)にたとえられる感じから、大切にラッピングされた花束を胸のあたりに抱える光景がイメージされるのですが、だとするとこのU’ilaniちゃん、まだホントにちっちゃくて、そっとふれないと壊れてしまいそうな赤ちゃんだったりするのかもしれない……なんて想像をふくらませています。そして、そんなU’ilaniちゃんを目を細めながら抱っこするのは、おじいちゃん、おばあちゃん(no na* ku*puna)かなと……。そういえばこの歌に限らず、ハワイアンソングでは、両親よりも祖父母世代にとっての孫への気持ちが、熱く語られることが多いような印象があります。このバースのほのぼのとした感じは、大家族に囲まれて子どもたちが育つ空間ならではの、温かさと愛にあふれた雰囲気そのものなのかもしれません。

 あなたのあふれんばかりの魅力は、(なにもかも)知ってるわ。
 あなたの気持ちだって抱きしめているもの。
 なんだかいい香りがするのよね。
 それで私ったら、ついいいなぁって思ってしまうの。

 Kou u’i ua ‘ike ‘ia
 Ko* aloha ua hi’ipoi ‘ia
 Ke ‘ala onaona ko* kino
 Na’u e li’a mau ai

 U’ilaniちゃんって呼んだら、きっとお返事してね。
 あなたは私のお気に入りなんだから。

 U’ilani e o* mai ‘oe
 ’O ‘oe no* ko’u puni

 U’ilaniちゃんは私のものよ。
 天から授かったようなあなた。
 この胸でよしよしって抱きしめるの。
 子守歌を歌いながら……。

 U’ilani my own
 You were sent from heaven above
 In my bosom I'll caress you
 With a lullaby

 冒頭の「ku’u lei」(私の大切なlei) 、「ku’u milimili」(私のかわいい子)にはじまって、「na’u e li’a mau ai」(私はいいなぁと思う)、「ko’u puni」(私のお気に入り)、そして最後に歌われる英語の歌詞まで、これでもかという勢いで「私の」U’ilaniちゃんであることをアピールするような表現が続きます。ですが、実はこの歌、William & Sophia Sheather夫妻の娘、Donni U’ilaniのために作られたもので、コンポーザーであるLena Machadoにとっては、子どもでも孫でもなかったようです。そう考えると、U’ilaniちゃんに向けられるこの思い入れの強さって、いったいなんなんだろう!?と思わないでもありませんが、もう理屈抜きにただただ心動かされる、そんなかわいらしい女の子だったのかもしれませんね。そう、まるで天(lani)から授かった宝石のように、きらきらしたオーラを放っているような……。そんなことを思うにつけ、生まれたばかりの赤ん坊の、この世のものとは思えない神々しい感じが思い起こされたりもする『U’ilani』。そしてなによりも、Lena Machadoの情感たっぷりな歌声に、「目に入れても痛くない」的なまなざしを感じた一曲でした。

by Lena Machado(1947)
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。