'O ka po* mahina la, e* 'O ka po* mahina la, 'ea* 'O ka po* mahina la, 'ea* Ka po* mahina la, e*
かけぬける疾風のようなウクレレの勢いと、短調と長調が入れ替わるめまぐるしさに、ただただ圧倒されてしまう『'O Ka Po*』。美しい月を眺めているうちに、ふとあいさつされたような気配(he welina mai nei)を感じたってことは……たぶん、なにかが不意に降りてきたような、ぞくっとする瞬間があったのではないかと思われます。そうして繰り返される、「'o ka po* mahina la」(ある月夜の晩)……もうちょっと説明してよといいたくなりますが、おそらくことばを超えた、ほとんど痙攣寸前の体験だったのではないかと思ってみたり……。理屈では説明しがたいのですが、調が入れ替わるたびに迫ってくる、なんともこころざわつかせる雰囲気が、なによりこのことを示しているように思われます。というか、手がかりになりそうな情景描写も少なくて、これほど想像力が試されるmeleもないかもしれません……。
Ha'ina ku'u mele Ka po* o Ho*naunau He u'i ma*oli no*
天空いっぱいの星々(na* ho*ku*)を仰ぎみたというHo*naunauは、Hawai'i島の西側、South Konaの海沿いに位置します。Ho*naunauのあたりも含めて、Konaの海沿いを数時間ドライブしたことがあるのですが、民家もまばらで、とくに海に隣接するエリアだと、日が暮れるとたちまち真っ暗になるものと思われます。なのでおそらく、山側を背にすると、暗闇に沈む空と海とに放たれる、煌々と輝く月明かりや星のまたたきにからだごと包まれて、その静かな時空間と対話するようなひとときが訪れるのではないかと思うんですね*。黒い溶岩におおわれた海岸線なんかも、よりいっそう黒くあやしげな存在感を放ち、自分がそこにいることさえ不思議に思えてくる、そんな気分で立ち尽くすことになるのではないかと……。そう、同じハワイの夜といっても、ホテルや商業施設で埋め尽くされた、Waiki*ki*あたりとは別世界**。海沿いに延々と続く古代のHeiau跡***、その低い石づみの連なりにも、いにしえの時にいざなわれるようなことだってあるかもしれません。そんなことをあれこれ思い描きながら、このmeleに込められた超個人的な体験が、宗教とか信仰といった、いわばとんでもなく普遍的なものへの入り口のようにも思えてきた、そんな『'O Ka Po*』なのでした。
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