'O ka nehe a ke kai i Puamana Kahi o na* hana le'a a'o Kananaka
Puamanaは、先に登場した'I*ao渓谷の反対側、Maui島がLa*nai島に向かって張り出しているあたりの海辺に位置する地域です。プライベートビーチがあって敷地も広く、お隣ともしっかり緑の茂みで隔てられている、そんな長期滞在向けのコンドミニアムが点在するPuamana。おそらくそこには、商業施設が立ち並ぶリゾート地とは違う、ゆったりと気ままなときを楽しむような、静かでおだやかな空気が流れているのではないかと想像されます。そう、Puamanaといえば、なんといっても「海のささやき」('o ka nehe a ke kai)といいたくなるような……。そして、その波の音が特別なものであることが、Hawai'iのとある伝説になぞらえて語られるんですね。その海のささやきには、Kananakaの呼び声を思わせるところがあると……。そう、Kananakaといえば、その魅惑的な声で男たちを惑わせ海に連れ込んでしまうという、人魚伝説のキャラクター。日が暮れたりすると、それこそ真っ暗で波の音だけが聞こえてきて、どこかへ連れ去られそうな気分になるほどの静けさに包まれる、そんなPuamanaなのかもしれません。
Puana ka inoa a'e lohe 'ia 'O Maui a'o Kama no* e ka 'oi
現在は、そこを訪れるひとをもてなすべく観光地化が進んだLahainaの街。ですが、19世紀半ば、Kauikeaouli(Kamehameha三世)の時代に首都機能がO’ahu島に移るまでは、王族をはじめ政治の中枢を担うひとびとが暮らしていたのが、このLahainaでもありました。そして、その地が「Lele」と古の名で呼ばれ、歌の最後にはMauiの伝統を象徴する古代の王の名前も掲げられていることからすると*、ここでLahainaの灯りに重ねあわされているのは、かつてそこにあったであろう、古きよきHawai’iの暮らしだったのかもしれない……なんてことを思ったりもします。そう、伝統のともしびはいまもかがやき続けている。Kaua'ulaの風が、変わらずその地を吹き抜けていくように……**。「Hanohano 'O Maui」(誇り高き島Maui)という、なんとなく大げさな印象のタイトルのベースにあるのは、もう目にすることはない、でも確かにその地に積み重ねられている歴史を感じた、作者の特別な旅の経験だったのかもしれないと想像しています。
参考文献 ※「Kama」について Elbert SH: Selections from Fornander's Hawaiian antiquities and folk-lore. Honolulu, Univesity of Hawaii Press, 1959, p178 ※Kaua'ulaについて Nakuina M : The Wind Gourd of La‘amaomao (translated into English by Mookini E and Nakoa S). Honolulu, Kalamaku Press, p124, 2005
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