Haʻaheo ka ua i nā pali
Ke nihi aʻe la i ka nahele
E hahai ana paha i ka liko,
Pua ʻahihi lehua o uka.
峰々に雨は誇らしく降り注ぐ……。
(そうして)森もしっとりくもったようにみえはじめたら、
(雨も)膨らみはじめたばかりの木々の芽を追うのかしら。
そう、山手のpua ʻahihi(に恋焦がれて)。
白く、しっとりともやに包まれた木立のなかに、いままさに芽吹いたばかりの木々の芽が、はばたく瞬間を夢見ている……そんな光景を想像してみると、愛し、愛される喜びが、その空間に充満しているように思えてくる『Aloha 'Oe』。多くの楽曲を残したLili'uokalani女王の作品のなかでも、広く知られているもののひとつですが、「aloha 'oe……until we meet again」(さようなら、また会う日まで)という歌詞から別れの曲と語られる以上には、具体的な歌の背景は案外知られていないこの歌。実は、公にするにはちょっぴりスキャンダラス(?)な、女王の記憶に刻まれたあるエピソードがもとになっているようです……。
『Aloha ʻOe』については、zoom講座「メレで学ぶハワイ語」で解説しています。講座のアーカイブ(録画)受講についてはこちら。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html参考文献
1)Gillett DK: The Queen's Songbook-Her Majesty Queen Lili'uokalani. Smith BB ed., 1999, pp33-39
2)Kanahele GS: Hawaiian music & Musicians-an encyclopedic history. Honolulu, Mutual Publishing, 2012, pp18-21
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コメント
海月
Aloha 'Oeは、日本語歌詞で中学校の音楽の教科書に載っていたように記憶してますが、
なんと、ハワイの女王さまが作られた歌なのですか(゜o゜)
エピソードの内容も、「そんなの、公にしたらまずくないですか」とビックリですが、ハワイはおおらかなお国柄なのですね。
なんだか幸せな気持ちになります。(*'ω'*)
2016/12/16 URL 編集
隙間のりりー
コメントありがとうございます。
私もこのたび訳してみてびっくりしました。
女王の作風は,彼女の人柄によるところが大きいのかもしれませんが,キリスト教的な一夫一婦制など,婚姻のタブーにまつわる考え方は,ハワイと欧米とではずいぶん違っていたようです。
おおらかといえば,リリウオカラニ女王の子どものころの回想も面白かったりします。
学校でお腹がすいたら,校庭の草を友達と食べたとか……自然児って感じですね。
2016/12/16 URL 編集