Kuʻu Hoa

Kuʻu Hoa





 ぼくの恋人は愛すべきひと。
 チャーミングでいとしいパートナーは、山に住んでる。

 ねぇ、ぼくらもう帰ろうよ。
 そうしてぼくと一緒に寄り添って……みたいな気持ちでいっぱいなんだ。
 
 煌々と照らす月明り、
 それが雲の切れ間から差し込む(あの光景が思い出されるんだ)。

 さぁ、もう一度この思いをこころに響かせてみて。
 チャーミングでいとしいパートナーは、山に住んでるひとなんだ。

 小高い場所(kuahiwi)に住んでいる、香るような面立ち(maka onaona)の、私の大切なパートナー(ku’u hoa)と、月が美しく輝くさま(’o ka pa* ko*nane a ka mahina)を眺めたい……そんな気持ちがストレートに歌われる『Ku’u hoa』。とにかく明るく元気なイメージがあって、満月の月明かりのようにまったく翳りを感じさせない曲ですが、実は、Pono Beamerがこの曲を作ったときの彼の「ku’u hoa」(パートナー)の状況は、そんなにハッピーではなかったようです。
 Pono Beamerがこの歌を作ったのは、彼の奥さんであるLouiseが、culture consultantとしてメインランドに行く際に同行した旅先でのこと。Louise の仕事は、Bing Crosby主演の映画「Waikikii Wedding」*の撮影に協力することでしたが、現地でけがをしてしまい、1週間ほどスタジオでの仕事ができない……なんてことがあったようです。そんな状況で、Pono Beamerが大切なパートナーを思って作ったのが、この『Ku’u hoa』でした。仕事はいいから、もう二人で帰ろうよ(e ho’i mai no* ka*ua)……痛々しい彼女の様子をみながら、Pono Beamerはふとハワイが恋しくなったのかもしれませんね。「山に住む」(noho i ke kuahiwi)という歌詞から、高台で街が見わたせるところに住居があったものと思われるので、きっと月夜の眺めもすばらしかったに違いありません。そんな故郷を思い起こしながら、ホームシックな気分で口にする鼻歌としてはあまりに明るく軽快すぎやしないか?!とも思いますが、そんな気分さえ(だからこそ?)軽やかなメロディにのせてしまうところも、ハワイ的表現だったりするのかもしれません。

*:歌の内容とは関係ないですが、Louiseが関わったとされる映画、『Waikikii Wedding』(1937年公開)のいかにもハリウッド的なステロタイプさは、まだハワイが米国の州ではなかった当時の、メインランドからみたハワイがわかるという意味では興味深いかもしれません。

by Francis Kealiʻinohopono Beamer
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。