波が寄せては返す音が響いてきて(i ka halulu mai o ke kai)、あぁ、いいなぁって感じで思わずくつろいでしまう(nanea)……Kaua'i島の南東側、Lihueと南端のPo'ipuのちょうど中間あたりにある入り江Ki*pu* Kaiには、波の音がささやくように聞こえてくる、おだやかで静かな空間がひろがっているようです。そんな「Ki*pu*-kai」(海側のKi*pu*)の北側には、Ha*'upuの山を隔てて「Ki*pu*-uka」(陸側のKi*pu*)と呼ばれる、緑豊かな土地が広がっていって、現在も牛の放牧が行われているようです。 一方、Ha*'upuの南側に位置するKi*pu*-kaiには、山側に比べて乾いた土地がひろがっていて、2マイル(約3000キロメートル)続く入り江の半分は、白い砂浜だったりするようです。また、かつてはfish pond(養魚場)があったり、海辺のPo*ha*-kua(岩の峰、岸壁)にペトログリフが刻まれていたりもして、古代からひとびとの生活がそこで営まれたであろう土地柄もうかがえます*。
思わずうっとり見上げてしまうような、天に向かってそびえる山(mauna ki'eki'e i luna)、Ha*'upu(2300フィート、700メートル)**。その峰を中心に海側と山側にひろがる、Ki*pu*ならではの風景が歌われているわけですが、そんなHa*'upuの姿をながめながら、地元のひとたちは空模様をうかがったりもしたようです。そう、Ha*'upuに雲がかかりだしたから、そろそろ雨になりそうだね、みたいな感じですね。なんとなく、自然のパノラマに包まれた、とびきり気持ちのいい空間がイメージされますが、そんなふうに「Ke-ao-lewa」(浮かぶ雲)をいただくHa*'upuをながめながら、ひとびとはその雲を「巨大な白い鳥」とか、ときには「豚の雲」***とも呼んだといいます。また、Ki*pu*の名は「(雨やミストが)とどまる」に由来するといい、とにかく雲がかかっていることが多いHa*'upuでもあるようです。
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