'Auhea wale ana 'oe E ka liko pua kukui Kuhi au 'o ka 'ono ia A ke pu'u a'e moni nei
陽気でノリのいいスピード感のあるストーリー展開が、ここちよく駆け抜けていくハワイの風を思わせる『Pua Kukui』。Kukuiというと、まずはleiに用いられる丸くて固い実のほうを連想しますが、ここに歌われているのは、白くて小さな花が房状に咲く「kukuiの花のつぼみ」(ka liko pua kukui)。いまにも花開きそうなつぼみのふくらみが、まだみぬ「隠された部分」へのあこがれに火をつけてしまった……みたいな感じでしょうか。つぼみを指さして(kuhi)、「それって味わい深いよね」('o ka 'ono ia)なんてつぶやいてる時点で、かなり妄想がふくらんでいるものと思われます。もっとも、花といえば蜜であり、そこに渇きをいやそうと鳥たちが引き寄せられるという比喩が、恋の営みをあらわしたりするのがハワイ語の世界。なので、「ゴクリと飲み込むときの味わい」(ke pu'u a'e moni nei)といった表現も、おそらくそれほど特異なものではないと思われます。
Pi'ikoi kahi mana'o I ka pili ko'olua 'ia Eia ke kaula lopi a*na Hei ko* pu'uwai kapalili
この考えは、いくらなんでも虫が良すぎるかな(pi'ikoi)……いきなりときめいてしまった自らを省みて、さすがにブレーキがかかったんでしょうか。ですが、誰かと「パートナーの間柄で」(i ka pili ko'olua 'ia)、しかも「あなたのふるえるハート」(ko* pu'uwai kapalili)を捕まえるきっかけを相手から差し出されるなんて、まずあり得ないのでは?という印象。とりあえず、対象はものいわぬkukuiの花なのでそれもありかもしれませんが、なにはともあれ次の展開をみてみると……。
Loa'a aku 'oe ia'u I ka welelau o ka lima Hei 'oe ka'u ki*puka E ka pipi ho'okahi kiwi
やったね!きみはぼくのもの(loa'a aku 'oe ia'u)……「指先でもって」(i ka welelau o ka lima)なんて表現が、馬に乗っていたときの必死な感じと対照的ですが、体力勝負であると同時に、ちょっとしたテクニックが重要だったりすることもあるようです。それにしても、ぼくのものになったはずの「あなた」('oe)が、いつのまにか「ぼくの投げ縄をつかんでいて(hei 'oe ka'u ki*puka)」、実は一角獣(ka pipi ho'okahi kiwi)をものにしていた(!?)とも読める展開には、ただただ驚かされます。なんにせよ、恋は奪うのでも奪われるものでもなく、お互いに与え合うもの……ってことなのかもしれませんね。
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