Aloha Kaua'i http://www.youtube.com/watch?v=o4mWpgU5mHo&feature=related
「カウアイ島といえばモキハナ。マイレの小さく繊細な葉がからまって、実に愛らしく美しいその姿を、私は愛さずにはいられない―そう、私とあなたは、こうして心のなかでつながっている……」。『Aloha Kaua’i』には、そのタイトル(愛されているカウアイ島)の通り、カウアイ島がいかに美しく、ひとびとに愛される島であるかが熱く語られています。心のなかでつながっているとされる二人のことも気になりますが、そのあたりについては具体的に言及されることはないまま、これに続く箇所で場面ががらっと変わります。「愛されているカウアイ島。そのLuanaの街は、旅びとを温かく迎えてくれる、そんなステキな場所なのです」。突然、Luanaってなんだ?!と思いますが、Luanaは、歌の作者であるMa’iki Aiuがこの歌を一緒に作ったMalina家の人びとが住んでいた場所のようです。そして、このLuanaについてもそれ以上の具体的な描写はないまま、次のようなフレーズで歌は締めくくられます。「カウアイ島の名前は広く知られている。たたえられ、大切にされるその美しさ―そう、カウアイ島は、本当に美しいところなのです」。シンプルで美しい歌なのですが、とにかく短くて、あれっ?もうおしまい?みたいな印象があるというのも正直な感想だったりします。カウアイ島のことを具体的にイメージできないと、meleに含まれる感動を共有するのは難しいのかもしれません。
「カウアイ島の花」と歌われるモキハナは、カウアイ島だけにみられる低木で、その小さくて香りのいい実の部分は、古代からレイに用いられてきたようです。その香りはアニス(シソ科)に似ているようですが、いったいどんなふうに香るんでしょうか……そのあたりのイメージを補うために、モキハナの香りにまつわる短い詩をたどってみました。
モキハナに誘われてやってきた、Ko*ke'eの小高い場所。
モキハナのかぐわしい香りが、私たち二人の愛の営みを盛り上げてくれる。
それでこんなに夜がふけてもまだ帰れない。
そう、森のなかで二人きり……。(PKK)1)
この詩からうかがえるように、カウアイ島といえばモキハナ、モキハナといえば……と連想されるものが、おそらくあるに違いありません。
歌詞のなかに、モキハナとマイレがからんでいるさまが登場しますが、この両者を組み合わせるレイのスタイルは、まさにカウアイ島の象徴として編まれるもののようです。そんなレイを編み身につけることは、カウアイ島の森のパワーをまとうことであると同時に、愛し愛される奇跡を呼び寄せる、そんな意味を持っているのかもしれません。
文献
1)Marie A, Mcdnald, Paul R. Weissich: Na* Lei Makamae, University of Hawai'i Press
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