E ola au i ku'u la*hui Ke kuleana o ka 'o*iwi 'O ka 'i* ma ka*na 'o*lelo He Hawai'i au mau a mau
私は宣言する('o ka 'i* ma ka*na 'o*lelo)……ここではかなり強い仕方で、「私はHawai'i人だ」(he Hawai'i au)と自覚するひとり一人の立場から、「大切なla*hui」(ku'u la*hui)の一員、すなわちハワイのネイティブ(ka 'o*iwi)として、その責任(ke kuleana)のもとで生きるという決意が述べられています。「La*hui」は「民族」とも訳されることばですが、もしハワイのひとびとがハワイ人としての主権を持ち続けていたら、la*huiがすなわち独立した国家でもあったことは、この歌がハワイ人のアイデンティティ表明である限り、忘れてはならないように思われます。というのも、「われわれはハワイ人だ」と呼びかけるこの歌のメッセージは、裏を返せば「われわれはアメリカ人ではない」という思いでもあるはずですから……。 タイトルの「kula-iwi」に含まれる文字通りの意味、「先祖代々骨を埋めるところ」に引きつけるならば、資本家の思うがままに売り買いされた結果、ネイティブの先祖の墓地がリゾート地になってしまっている、といった現実にも目を向けるべきかもしれません。そんなところから、ハワイのネイティブのアイデンティティが表明されているこの歌が、あの列島を訪れる観光客にとっても決して無関係ではないことがみえてくるのではないかと思われます。多くのハワイ好きが夢見る南の島は、そこに存在するさまざまな負の部分を覆い隠すことで作り上げられた幻想なのだということに、私たちはもう少し関心を持つべきではないのか……そんなことを考えさせられた『Kula*iwi』なのでした。
*:Lehuaは、Ni'ihau島の北0.7マイル(1.1 km)にある三日月形の小島。284エーカー(1.15平方km)ほどの広さの無人島ですが、上陸は禁止されておらず、シュノーケリングやスクーバダイビングで訪れることは可能。島の最高地点は704フィート(215m)。 **:「Mai ka la* 'o*'ili i Ha'eha'e a ha*li'i i ka mole o Lehua」(Ha'eha'eに太陽が現れてからその光がLehuaの地に広がるまで)。 ***:『Kumulipo』では、雨を降らせる天であるWakeaと、大地であるPapaをはじまりとして、kalo(タロ芋)として誕生した兄のHa*loaに続いて、人間Ha*loaが生まれたとされます。ちなみに、「ha*-loa」の文字通りの意味は「kaloの長い茎」。そこには、栄養となって人間の命の源であり続けたkalo(ha*-loa)を、人間のはじまりのところにあったとする人間観が語られていると思われます。 ****:この法律は、一般的には「Great Ma*hele」と称されますが、『Native Land and Foreign Desires』(Kame'Eleihiwa L, 1992)では、ハワイのネイティブのひとびとには利益をもたらさなかったという理由から、「Ma*hele」という用語が選択されています。 *****:まず、PapaとWakeaから生まれたのがHawai’i島、Maui島、そのあとに続いたのが娘のHo'oho*ku*kalani。二人のHa*loaはこの娘とWakeaとの間に誕生したと語られることもありますが、そのあと再びPapaとWakeaが交わるようになり、彼らからKaua’i島、Ni’ihau島、Lehua島、さらに西のKa'ula島へと続いたとされます。
by Larry Kauanoe Kimura
参考文献 1)Pukui MK: 'Olelo No'eau-Hawaiian Proverbs and Poetical Sayings. Honolulu, Bishop Museum Press, 1983, p224 2)Kame'eleihiwa L: Native Land and Foreign Desires―Pehea LA E Pono Ai? How Shall We Live in Harmony? Honolulu, Bishop Museum Press,1992, pp23-33
コメント
Katsukiyo Y
ありがとうございます。
映像の若人の歌う姿に接し、ハワイアンルネッサンスは、新しい世代に受け継がれて来ており、厚みを増していると感じています。
2018/07/12 URL 編集
隙間のりりー
コメントありがとうございます。若い世代の楽曲にメッセージ性の強いものがあって驚かされますし、着実に育っているものがあるようですね。歌を通じてこそ知ることができるハワイがあるなぁと感じます。
2018/07/13 URL 編集