Tuahine




 Wa'ahilaの峰が雲をいただいて、
 山手のもやが美しく(見え始めたら)、
 タロが水と出合う(あの始まりの)ときを思わずにはいられない。
 (さぁ、いまこそ)こころのより所、Tuahineへ(向けて歌おう)。

 'Ohu'ohu 'o Wa'ahila i ka noe lā
 Noenoe o uka i kou nani
 He wai 'apo liliko i ku'u poli
 Ku'u poli e Tuahine

 なによりも尊く、美しさに満ちた存在、
 それこそがあなた、Tuahineなのです。

 'O ka 'oi 'o ka nani
 Nō 'oe e Tuahine

 雲をいただく山並みを見上げながら、なにものかの到来を待ち受けているときの、特別なこころもちを思わせる『Tuahine』。「雲をいただいて」('ohu'ohu)と歌われるWa'ahilaは、O'ahu島の南東部、Kona地域の山手にあるエリア。ちょうどWaikīkiīあたりの山側、Ma*noaとPāloloの峰の間に位置する地域です。そこに雲がかかり、雨の気配がただよい始めると、なぜか思い起こされる「水にぬれたタロの新芽」(he wai 'apo liliko)。あまりのイメージの飛躍にまずは驚かされますが、タロが最初に水にぬれるとき、といえば……そう、いわゆる田植えにあたるものですね。古代のタロ栽培は、そのプロセスの要所ごとに豊作を願う儀式をともなったとされますが、この「he wai 'apo」も、そういった特別な場面と結びついたことばのようです。そして、収穫の善し悪しを左右するのは、なんといっても適度な降雨量。Mānoaに降る雨ということで、詩的に「Tuahine」と語られ呼びかけられていますが、その根底には、あらゆる命の源である雨への感謝の気持ちと、人間の力のおよばない自然に対する、深い洞察があるのではないかと思われます……。

『Tuahine』(by Barry Flanagan)について、zoomオンライン講座で解説しています。アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。