Māpu Mau Ke ʻAla




https://www.youtube.com/watch?v=c3taU2NgC1E 


 不意に風に運ばれてくるのは、クーパオアの花の香り。
 なぜだかそれは、私を誘ってやまない。

 He ʻala onaona kūpaoa e moani mai nei
 E kono mai ana iaʻu, ē!

 いったい、どこにいるの……。
 ずっと思い続けるそのひと(にこの気持ちを届けたい)。
 ひそやかに咲くアワプヒの花(のようでもあるあなたに)。

  ʻAuhea ʻoe e kuʻu nani, kuʻu pua e milikaʻa ai
  Ka pua ʻawapuhi ʻauliʻi

 強い花の香りがただようたびに、いまにもあふれそうな勢いでよみがえってくる、いとしいひとへの思い。その淡々としたメロディが、かえって思いの深さを際立たせているような、切なくも美しい『Māpu Mau Ke ʻAla』。気持ちをかき立てる香りに誘われて、ついその面影をたどってしまうとされるこの歌は、CDのブックレットによると、亡くなった友人のことを思って作られたものだといいます。なんとなく行き場のない感じはそのためなのだろうか?と思うとさらに切なくなりますが、「大切に思い続ける」と訳した「e milika'a ai」あたりにも、繰り返し思い出してしまうどうしようもなさが、ある手応えさえともなってにじみ出ているのを感じます。こんなふうにイメージをふくらませてみると、「'auhea 'oe」(listen!)というありふれた呼びかけさえ、この歌のなかでは尋常なものではないことに気づきます。そう、もうどうしたって、この私の声があなたに届くことはないのですから……。

『Māpu Mau Ke ʻAla』(Julian Keikilani Ako)については、zoomオンライン講座で解説しています。
アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。