ʻAuhea ʻoe e kuʻu nani, kuʻu pua e milikaʻa ai Ka pua ʻawapuhi ʻauliʻi
強い花の香りがただようたびに、いまにもあふれそうな勢いでよみがえってくる、いとしいひとへの思い。その淡々としたメロディが、かえって思いの深さを際立たせているような、切なくも美しい『Māpu Mau Ke ʻAla』。気持ちをかき立てる香りに誘われて、ついその面影をたどってしまうとされるこの歌は、CDのブックレットによると、亡くなった友人のことを思って作られたものだといいます。なんとなく行き場のない感じはそのためなのだろうか?と思うとさらに切なくなりますが、「大切に思い続ける」と訳した「e milika'a ai」あたりにも、繰り返し思い出してしまうどうしようもなさが、ある手応えさえともなってにじみ出ているのを感じます。こんなふうにイメージをふくらませてみると、「'auhea 'oe」(listen!)というありふれた呼びかけさえ、この歌のなかでは尋常なものではないことに気づきます。そう、もうどうしたって、この私の声があなたに届くことはないのですから……。
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