O*la'a Beauty

O*la'a Beauty






https://www.youtube.com/watch?v=K_JAkeONIko


 あぁ、君を感じる……ぼくの恋人みたいだ。
 いとおしいO*la'a Beautyの花(は、あのひとの面影そのもの)。

 'Auhea 'oe, e ku'u ipo
 O*la'a Beauty e ke aloha

 淡々と奏でられるシンプルなメロディが、愛するひとを思う誰かの遠いまなざしを感じさせる『O*la'a Beauty』。いとしいひとの面影をそこに重ね合わせて歌われるo*la’a beautyは、学名をtorenia fournieri(アゼナ科)、和名で「はなうりくさ(花瓜草)」や「なつすみれ(夏菫)」と呼ばれる植物*。小ぶりで可憐な印象で、とくに青から赤みがかった紫色の花のたたずまいは、静かで清楚な雰囲気をたたえています。

 幸せな記憶が呼び覚まされるよう……。
 (きっと君の)その香りが運んできたんだね。

 Kau mai ka ha*li'a, e ke aloha
 Halihali 'ia mai, e ke 'a'ala

 先のバースに連なっていた「e ku'u ipo」「e ke aloha」と同様に、ここでも「e~」ではじまる呼びかけが続きます。花に向かって語りかけながら、愛するひとにまつわる記憶をたぐりよせているような、切なくも幸せな空気感がありますが、花の香りとは、そうやって誰かの気配を届けたり、ある日あるときの思いを不意によみがえらせるものなのかもしれません。

 ぼくの大切なお花、もうかわいくて仕方ないって感じで、
 いつもこころのどこかにいるような、そんな美しいlei。

 E ku'u pua ho'oheno, e ku'u milimili
 E ku'u lei nani, poina'ole

 こうして「e ku'u~」(大切に思うひとへの呼びかけ)が重ねられる最後のバースには、つのる思いが夢とうつつの間をさまよっているような感じもあり、ことば少なに語られるのとはうらはらに、その思いは宇宙をかけめぐるほどの勢いでわき上がっているのではないか……なんてことも想像されます。どうしても思いが届かないひとなのか、二度と会えない事情があるのか、いまは亡きひとを思っているのか……といったあたりはわかりませんが、この歌がなぜか喜びに満ちていることは疑いようがなく、恋い焦がれる思いとは、本来的に隔たりをともなうものなのか……なんてことを、あらためて考えさせられたりもする『O*la'a Beauty』。天から奇跡のように降りてきたメロディとともに、深い思いがじんわりこころに響く一曲です。

Frank Kawaikapuokalani Hewett

*:その花の色は、青の濃淡、ピンクから黄までとバリエーションがあるようです。


*:ハナウリ草
https://www.weblio.jp/content/Torenia+fournieri

http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=a613
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。