Ke Alaula

Ke Alaula






https://www.youtube.com/watch?v=JIv6MiCURmg


 Kumuolaと呼ぶべき、大切なaunty
 情熱に満ちたまなざしで(あたりを)照らす(その存在感に圧倒される)。
 まるで、燃えるような一筋の道がそこに開かれるよう……。
 (ハワイ文化の)根っこのところ、そのまさに中心(というべき正統性を受け継いで)。

 E Kumuola, e ku'u tutu,
 Poha* mai i ka 'o*nohi'ula,
 Wehe 'ia ke alaula
 Mai ka mole, ke kikowaena,

 遠くまで見晴らせる高台に立ち、ここちよい風に吹かれながら風景を眺めたりするときの、最高に解き放たれた気分が伝わってくる『Ke Alaula』。そのゆったりしたメロディラインから、まずはなだらかに連なる山並みあたりがイメージされますが、この最初のバースは「e Kumuola, e ku'u tutu」という呼びかけで始まっており、「Kumuola」*というべきある年配の人物を前にしたときに作者が感じたこと、なにか尊く光り輝くものを目にしたような衝撃(poha* mai i ka 'o*nohi'ula)が語られているようです。
 この作品が収録されているMakaha SonsのCD『Ke Alaula』には、このmeleがkumu hulaとして活躍するNamahana Kalama-Pa*nuiから受けたインスピレーションをもとに作られたことが記されています。Maui島東部のHanaにあるHa*lau Na* Mamoali’i O Ka’uikiの先生とだけあって、具体的なひととなりはわかりませんが、ハワイ文化のルーツの中心というべきところから(mai ka mole, ke kikowaena)、情熱的な一筋の道が開かれている(wehe 'ia ke alaula)といった描写から、ハワイの伝統文化の担い手として、まさに「Kumuola」(生きた起源、伝統)というべき重要なポジションにいる人物ではないかと想像されます。

 大地がふるえ、
 その鼓動がこの地面を伝わってくるよう。
 (そして、そこに)燃えるような一筋の道が開かれるように感じられる。
 そう、Kamawaipo*laniが光のなかにあらわれるように。

 Ha'alulu ke kumu honua,
 Ha*ku'iku'i i ka 'a*ina nei
 Wehe 'ia ke alaula
 Hoaka 'o Kamawaipo*lani

 大地がふるえ(ha'alulu)、その振動の繰り返しがびんびん伝わってくる(ha*ku'iku'i)……ここでは、大地の鼓動が地響きのように空間全体をふるわせる様子が、臨場感あふれる仕方で語られているようです。そして、あるkumu hulaとの出会いから生まれたという歌の背景を考えると、そこにipuやpahu(ドラム)といった打楽器によるhulaのビートを重ね合わせてもいいかもしれません。たとえば、まるで大地の呼吸そのもののようにダイナミックで、おごそかな雰囲気に包まれたパフォーマンスのただなかに、なにか神聖なものが不意に降りてきた……みたいな、思わずゾクッと鳥肌が立ちそうな体験ですね。光をともなってあらわれたとされる「Kamawaipo*lani」がなにを意味するのかはわかりませんが、このバースのなにか神的なもの思わせる描写からすると、この世界を超えた大いなる存在を連想してもいいのではないかと思ったりします。また、文字通りに訳すと「赤く(燃える光の)道」となりそうな「ke alaula」は、日没や日の出のひとときに太陽から放たれる光をあらわすことば。ここでは、「wehe 'ia」(開かれる)とあって、いままさに昇ろうとする太陽がイメージされているものと思われますが、単なる一日のはじまりではない、天地創造といったこの世界のはじまりみたいなものを感じさせる壮大さが、このmeleにはあるような気がします。

 海に向かって四方八方に広がり、
 命をつなぐ水として流れていく。
 (そうして)燃えるような一筋の道が、そこに開かれるように感じられて、
 (大地の)呼吸は、(この世界を)しかるべく包んでくれるのです。

 Ha*ne'ene'e hele i ke kai
 'Oni me ka muliwai ola
 Wehe 'ia ke alaula
 Uhi pono i ka ea

 空に向けて立ち上る水蒸気が雲になり、雨に形を変え再び地上の流れとなって、大地全体をうるおすべく海に向かう……このバースでは、そんな水の循環が、生きとし生けるものの命をつなぐ運動('oni me ka muliwai ola)として語られているようです。そしてここでも、「燃えるような一筋の道」があらわれるとされますが、それがkumu hula Namahana Kalama-Pa*nuiから届けられたインスピレーションなのだとしたら、そのパフォーマンスは、自然の営みそのものの表現であるような、しなやかで力強いものだったものと思われます。

 このmeleが伝えようとするのは、
 文化への尊厳を取り戻すこと(がまさに求められているということ)。
 (その礎となる)燃えるような一筋の道が、(あなたのところから)開かれているのを感じる。
 この(ハワイの土地に)生を受けた、多くのひとびとのための(希望の)道が。

 Puana ka ha'ina,
 Ho'oku*kaulani i hei kapu,
 Wehe 'ia ke alaula
 No na* hanauna nei

 ハワイの大地に生を受けたひとびとが、命を与えられてあることに感謝し、神々の祝福が未来永劫続くことを祈念してとり行われるhula。それは、人間もその一部であるところの自然そのものを表現することであり、ときにそれと一体になって、ひとびとに神々への畏敬の念を呼び覚ます……。そんな、人間の営みとしてはあまりに法外なパフォーマンスのありようが、このmeleのタイトルでもある、夜明けを告げる「ke alaula」(燃えるような一筋の道)と表現されているのではないかと思われます。決して踏み入ってはならない聖なる領域(hei kapu)があることを示し、それを守る(ho'oku*kaulani)ことの大切さに気づかせてくれるhula。それはとりもなおさず、その地に生きるひとびとにとっては(no na* hanauna nei)、まさしく歩むべき道を指し示してくれるものにほかならない……そう、hulaが神々しくみえるのは、その輝きでもって、ネイティブのひとびとの価値観が表現されているからなんですね。そんな、美しいのひとことでは語れないhulaの存在意義を、いまさらながらに考えさせられた『Ke Alaula』なのでした。

by William K. Pa*nui, Louis R. Kauakahi
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。