Lei Haliʻa




 Lanihuliは聖なる雰囲気をたたえながら、
 Nu’uanuの霧に包まれている。
 山深く峰々に囲まれ、
 ひそやかに訪れるKonaの風に吹かれながら。

 He ahu aʻo Lanihuli
 No ka noe o Nuʻuanu
 Nuʻalia i ka pōʻai pali
 I ka pā iki mai o ke Kona ē

 山深く峰々に囲まれた空間で、天に向かう頂きに充満する神秘的な気配に圧倒されるひとの、息をのむほどの感動が伝わってくる『Lei Hali'a』。最初に登場するLanihuliは、Nu‘uanu Pali(Nu‘uanu Lookout)と向き合う東側の峰。Nu‘uanuを越えたところに広がるKa*ne‘ohe側から、ひそやかに吹き抜ける風のおとずれとともに、霧におおわれた峰々が、なぜか神々が宿る場所のように感じられた……そんな、感動のひとときが語られているように思うのは、Lanihuliを「he ahu」(祭壇のような場所)と描写しているあたりから。心ここにあらず、みたいな雰囲気に満ちたメロディにも、ことば以前の、雷にうたれたような驚きの体験を思わせるところがあり、目を閉じて聴くと、思わずその世界に引き込まれてしまいそうな、不思議な臨場感もあるように思われます。

 不意に訪れる思いをleiのようにいただく(ような気分)、
 涼やかな風にのって届くかぐわしい気配……。
 (そうして私は)真夜中に誘われてしまうのです。
 夢見なさい、(その場所に)抱かれるように、やすらかにお眠りなさいと。

 He ʻohu i ka lei haliʻa
 ʻAla māpu i ke anuhea
 Hea mai i ke aumoe
 Moemoeā, moe mālie i ka poli ē

 思い起こされる記憶のleiを身につけたような、そんな気分(he ‘ohu i ka lei hali‘a)……文字通り訳すとそんな感じになると思われますが、この繰り返しの部分には、なぜか夢見るようながあって、否応なくあれこれ想像させられてしまいます。雲をいただくNu‘uanuの峰々の美しい姿にうっとりして、思わず彼方の世界に誘われてしまった私……。ですが、「ka lei hali‘a」(思い起こされるlei)ですから、おそらく身につけたその感触もたどれるような、いつだったかの生々しい記憶である可能性もありそうです。そう、風景をみわたす気分がそうである以上に、よみがえってきた思い出そのものが、まさに夢のように幸せなひとときだったのではないかと……。


『Lei Haliʻa』(by Puakea Nogelmeier/vocal Kealiʻi Reichel)について、zoomオンラインレクチャーで解説しています。
アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。

http://sukimano.com/blog-entry-650.html

参考文献
1)Elspeth P et al: Sites of Oahu. Honolulu, Bishop Museum Press, 1962, pp311-312
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。