Pua 'O*lena

Pua 'O*lena





Jennifer Perri


 'O*lenaの花、森のなかで眠りについたままのその花が、 
 夏の(makali'i)霧雨にぬれている。
 さぁ、目覚めなさい、そしてあなたのその美しさをみせて(ほしい)。
 Pua 'O*lena、Pua 'O*lena……。
 
 『Pua 'O*lena』に歌われている「'o*lena」はジンジャーの一種で、ハワイでも昔から、その地下茎から採取した成分を医薬品や染料として用いるなどしてきた植物のようです。ターメリック(あるいはウコン)と呼ばれている、あの黄色い粉末のことだといえばわかりやすいでしょうか。一方、その花(pua)のほうは、黄色ではなく白っぽいようです……というか、あれこれ調べてはみるのですが、'o*lenaの花の図版は、ハワイのほかのメジャーなお花ほど紹介されてなかったりします。もしかすると、そうそうお目にかかれる花ではないのかもしれません……。

 'O*lenaの葉は、(まるで花を)守るように、
 そのいまにも開かんとする花を隠している。
 風もささやくように吹いている。
 あなたの美しさを見せて(ほしい)と……。

 ここに歌われているように、'o*lenaの花は、その葉の部分にしっかりガードされていて、花そのものが見づらい形態をしているようです。しかも、その花の時期もとても短くて、まるですぐに眠りについてしまうかのように姿を隠してしまう-おそらく、「眠っている花」(pua moe wale)と歌われるのは、そのあたりのイメージからくるのではないかと思います。それにしても、なんとも美しく、神秘的な表現ですね。そこで語られているのは、おそらく、いまにも花開かんとする女性に違いないと思ってしまいます**
 そして、最後に歌のテーマとして一番の内容がもう一度繰り返されるのですが、「pua moe wale」に続いて「pua moe 'ole」(眠らない花)と、少し違う歌詞が挿入されているあたりに、この歌の最高の盛り上がりがあるように感じられます。眠っているその花が、いま、この瞬間だけは、つかの間の目覚めとともに目の前に現れる-しかもそこは、「i ka nahele o Hanalei」(Hanaleiの森のなか)。Hanalei(カウアイ島)のうっそうと生い茂る森のなかで、思いがけず'o*lenaの花に出会うその瞬間は、おそらく、不意に訪れる愛の奇跡にも匹敵するほどに、美しくはかない夢のひとときなのです。

*:makali'iと呼ばれる夏の時期は、ハワイを雨期と乾期に分けたときの後者の半年間を差します。
**:ことば通りの意味合いとは別の、そこから喚起されるもう一つのイメージやストーリーは、ハワイ語で「kaona」と呼ばれます。
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。