天変地異を思わせる描写とともに、Hōpoeと呼ばれる美しいひとが海に向かって踊る(ように進む)姿が静かに語られる、『E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe』。たたみかけるような歌詞とメロディによって、そのどこか幻想的な光景がありありと目に浮かぶ、なんとも不思議な歌なのですが、いったいHōpoeになにが起こっているのかについては、この歌のなかで具体的に語られることはありません。 そのあたりが描写されているのが、同じ女性が登場する歌、『Hōpoe』です。
この歌の中にはPeleとHōpoeだけしか登場しませんが、ここに描かれているのは、Peleとその妹として語られるHi'iakaをめぐる長い物語に含まれる一場面です。夢の中でその精神だけでカウアイ島へと旅したPeleは、そこでLohiauという男性と恋に落ちます。Lohiauのもとを去ってハワイ島に戻ったPeleは、彼をカウアイ島からハワイ島に連れてくることを妹のHi'iakaに命じます。それを受けて、困難な旅の末にLohiauを連れ帰ったHi'iaka。そして、Hi'iakaがそこで目にしたのが、『E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe』に描かれている光景でした。そう、Lohiauとの再会を心待ちにするうちに、Hi'iakaが自分を裏切ってLohiauと親密な関係になったと思いこんだPeleは、Hi'iakaの大切な友人でありフラの先生でもあったHōpoeを、レフアの森とともに溶岩で覆い尽くしてしまったのでした……。
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