E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe/Hōpoe



E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe/Hōpoe






Ho*poe(Kawaikapuokalani Hewitt)



 さぁ、あの美しくもすばらしいひとのことを語ろう。
 レフアの森のHo*poeのことを。
 (地をはうように)身をかがめ、踊るようにゆれながら海の方へ、
 そして、砂浜をゆっくりと進みながら、大波に荒れるHa*'enaの海へ……。
 大地はゆれ、海はふくれ上がり、
 またたくまに飲み込まれていく、Punaのダンサー、Hōpoe……。

 レフアの花で飾られた(ような魅力あふれる)ひと、Hōpoe。
 天には稲妻が走り、大地は裂ける……。

 天変地異を思わせる描写とともに、Hōpoeと呼ばれる美しいひとが海に向かって踊る(ように進む)姿が静かに語られる、『E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe』。たたみかけるような歌詞とメロディによって、そのどこか幻想的な光景がありありと目に浮かぶ、なんとも不思議な歌なのですが、いったいHōpoeになにが起こっているのかについては、この歌のなかで具体的に語られることはありません。
 そのあたりが描写されているのが、同じ女性が登場する歌、『Hōpoe』です。
 
 キラウエアもプナの土地も、荒れ狂った波に覆われている-そう、Peleの燃える炎によって。
 真っ赤な海、あるいは真黄色の海のようなその光景……。
 それらはみな、Peleの思うがままに広がっていく……。

 キラウエア、プナといえば、火の女神Peleが住むとされる燃える大地とともに、ハワイのひとびとが暮らしてきた場所です。そう、踊るように海に向かうとされたHo*poeの描写は、迫りくる溶岩の流れに逃げまどう人間の姿だったんですね。

 狂ったようなPeleは破壊力そのもの。
 放たれたその怒りはとどまることを知らない。
 あぁ、私のレフアの森が引き裂かれてしまう……。
 逃げまどうHōpoeは、泣きながらHā'enaの海に向かう。
 もはや生き延びるすべもないままに……。

 この歌の中にはPeleとHōpoeだけしか登場しませんが、ここに描かれているのは、Peleとその妹として語られるHi'iakaをめぐる長い物語に含まれる一場面です。夢の中でその精神だけでカウアイ島へと旅したPeleは、そこでLohiauという男性と恋に落ちます。Lohiauのもとを去ってハワイ島に戻ったPeleは、彼をカウアイ島からハワイ島に連れてくることを妹のHi'iakaに命じます。それを受けて、困難な旅の末にLohiauを連れ帰ったHi'iaka。そして、Hi'iakaがそこで目にしたのが、『E Hia'ai I Ka Nani O Hōpoe』に描かれている光景でした。そう、Lohiauとの再会を心待ちにするうちに、Hi'iakaが自分を裏切ってLohiauと親密な関係になったと思いこんだPeleは、Hi'iakaの大切な友人でありフラの先生でもあったHōpoeを、レフアの森とともに溶岩で覆い尽くしてしまったのでした……。

『Hōpoe』(by Kawaikapuokalan Hewett)について、zoomオンライン講座で解説しています。アーカイブ(録画)による受講のご案内は、こちらをご覧ください。
http://sukimano.com/blog-entry-650.html

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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。