Ua Like No* A Like

Ua Like No* A Like






Jerry Santos


 似ている、ほんとうに似ている。
 Kanilehuaの雨に。
 そう、こちらに香りをとどける風にも……。
 まるで、そこに(i laila)愛するひとがいる(かのよう……)。

 「(なにかに)似ている」って、いったいなにがなにに似ているのか……夢みるような独特の雰囲気とも相まって、歌の世界に思わず引き込まれてしまう『Ua Like No* A Like』。「Aia i laila ke aloha」(そこに愛するひとがいる)という歌詞から、Kanilehuaの雨や香る風にたとえられているのは、愛するひと(ke aloha)であることがわかります。「i laila」(そこに)という、対象との距離を感じさせることばをともなっているあたりからは、愛しいその人の面影や気配を、まるでいつだったかの雨や風の感触をよみがえらせながらたどっているようにも感じられます。
  ここに登場する「Kanilehua」は、ハワイ島ヒロの街に降る雨の名前で、「lehua」の花に降る雨が音を立てる(kani)様子をイメージさせることばです。そして、こんなに美しいことばで飾っても、愛するひとのことを語るにはまだ足りない……そんな思いのあふれるままに、恋人を描写することばが層をなすように重ねられていきます。

 私が思い起こすのは、そう、あなたのこと。
 夕暮れにやってくる私の大切なひと(ku'u Lei)。
 夜更けに聞こえる鳥たちの歌声(のようなあなた)。

 夕暮れにやってくる大切なあなた……それ以上のことはなにも具体的には語られませんが、そのだれかが特別なひとであることは、なんとなく想像がつきますね。夜更けに聞こえてくるとされる鳥の歌声も、現実にはまずありえないだけに、どこか夢心地な二人の濃密な時間を連想させます。
 
 さあ、私たち二人で一緒にいきましょう。
 大切なところ(ka piko)をしっかり結びつける飾り。
 そう、あなたは私をさがし求めている……。
 そして、やさしい風に包まれる(ように私はあなたに抱きしめられる)。
 
 じっと「その時」が来るのを待っている……そんな印象がありますが、「しっかり結びつける」とされている「ka piko」(おへそ)が、体のもっともプライベートな部分を暗示させることばでもあるあたり、けっこう大胆で情熱的な表現かもしれません。それでもなぜかあからさまな感じにならないのは、相手に対する信頼というか、安心感みたいなものがベースにあるからかもしれないなぁと思ったり―そう、あのひとはきっとやってくる、不意に訪れる風のように、いつかきっと……。

composed by Alice Everett,1882 
 

*:ハワイ語の「like」には「~に似ている」という意味があって、英語の「like」との関連を思わせますが、ハワイ語にみられる多くの英語起源の外来語とは異なり、「like」は純粋なハワイ語のようです。また、ハワイ語読の「like」は「i」を「ai」とは発音しません。

 
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隙間のりりー

フラダンサー&ミュージシャンを応援するハワイ語講師。
メレの世界を深く知るためのハワイ語を、わかりやすく解説します。