ひとびとに愛されるHa*li’iluaの水辺。その穏やかな場所は、Keo*ua*の昔から聖なる場所(ka ‘ihi kapu)として知られている……と歌われる「Ha*li’ilua」は、ハワイ島コナ地方、Kealakekuaにあり、カピオラニ女王のお気に入りでもあったとされる海辺の場所をさす名前です。「Ke-ala-ke-kua」(神の通り道)という地名や、古代にはheiau**がたくさんあったことなどから、ハワイのひとびとにとっては、人間の力を超える存在の気配を感じさせるような場所だったのかもしれない……と思ったりしますが、そんなHa*li’iluaから、Ka’awaloa***の山の頂にかかる雲が、太陽光に照らし出されて神々しく見える情景から歌は始まります。この風景描写には、「maoli pua」(正統な血筋、あるいはその土地のネイティブな子孫)ということばが続くことから、特定の誰かを讃える思いが含まれているようにも感じられます。そしてその人物は、おそらくこれに続いて「両親にとっても、またそこから延々と続く代々の先祖たちにとっても、ほかと比べようのない特別な存在」と歌われる「’oe(あなた)」のことではないかと思われます。そして、そのあとに「wau(私)」も登場します。歌詞をたどるだけでは、両者の関係がいまいちわからないのですが、『Ha*li’ilua』が結婚を祝って作られたという手がかりをもとに、歌詞を整理してみたいと思います****。 まず、「あなた」について、「'O*la'a(の場所)でレフアのレイを手に入れ、それを身に着ける」とされ、そのレイは「うっとりしている女性を思わせる、まるで欲望そのものである花のよう」と歌われます。「'O*la'」といえば、ヒロとプナの間の高地にあって、Laieikawaiが暮らした伝説上の場所Paliuliがあったとされ、ほかにも神格化された美女の伝説が語られてきたことで有名な場所です。そんな連想からも、'O*la'の場所で「あなた」が手に入れたのは(未婚の)女性と考えるのが自然な気がします。 そのあと、「私はその美しさを、心から離れない(あなたの)すべてを賞賛します。まばゆく輝き、高く見上げるような存在である、Ka'o*nohi o ka la*のことを」と、いきなり登場する「Ka'o*nohi o ka la」*****は、Laieikawai伝説の終盤で、彼女と結婚することになる太陽神の名前です。だとすると、先の歌詞で「あなた」と呼ばれ、'O*la'aでレフアのレイ(つまり、'O*la'の美女)を手に入れたひとのことを指していると考えられます。レイをかけるくだりでは女性と結ばれることになった男性の喜びの様子が、太陽神を見上げる部分では女性側から男性に向けた思いが、それぞれ歌われていると解釈できそうです******。 最後の歌のテーマが繰り返される部分は、「'O*la'aにあるレフアのレイ」と、「光り輝くKa'o*nohi o ka la*」で締めくくられ、歌のテーマが、なによりもこの二つであることがわかります。理想のパートナーとめぐり合うまで大切に育てられるLaieikawai的な女性と、彼女と結ばれるために、太陽という神的な身分でありながら地上に降り立つKa'o*nohi o ka la*。いわば、この世で考えうる最高の取り合わせを登場させることによって、いま祝おうとしている結婚が、最高の結びつきであることを高らかに歌い上げている、そんな感じでしょうか。それにしても、婚姻を単に個人的な出来事としてとらえるのではなく、遠い過去にさかのぼる血のつながりや、先祖代々暮らしてきた土地との関係まで巻き込んで、いわばそんなつながりのなかでこそ意味のあることとして捉え祝福するあたりは、伝統的なハワイアン独特の人間観であり、世界観でもあるといえるかもしれません。
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